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<feed version="0.3" xml:lang="ja" xmlns="http://purl.org/atom/ns#" xmlns:dc="http://purl.org/dc/elements/1.1/"><title>記４</title><link rel="alternate" type="text/html" href="http://ki4.wib01.com/" /><modified>2010-07-15T17:48:57+09:00</modified><tagline>ここは、わたくし(名)キリハラが新ふゆきょうの宣伝をしたり挫折したり
呪いの言葉をぶちまけたり誰彼かまわず攻撃したり
あなたと仲良くなったりするウェブログです。嘘ばかり吐いてゐる。ホ、ホ、ホ。</tagline><generator url="http://jugem.cc/">JUGEM</generator><entry><title>気狂いとノマド</title><link rel="alternate" type="text/html" href="http://ki4.wib01.com/?eid=943247" /><id>http://ki4.wib01.com/?eid=943247</id><issued>2010-07-15T18:02:50+09:00</issued><modified>2010-07-15T08:48:57Z</modified><created>2010-07-15T09:02:50Z</created><summary>　実に四ヶ月振りの更新となります。その間何をしていたかと言えば、あなた、素敵な色を塗りたくっていたとしかお答え出来ません。寝て起きて文章を書いて書いて書いて寝てまた起きてご飯を食べて寝て悪夢を見て起きる。その繰り返しが続いています。お医者様から頂いたお...</summary><author><name>キリハラ</name></author><dc:subject>どうかしてしまった小説</dc:subject><content mode="escaped" type="text/html" xml:lang="ja"><![CDATA[<img src="images/100715.jpg" width="175" height="175" alt="Scone" class="pict" align="left">　実に四ヶ月振りの更新となります。その間何をしていたかと言えば、あなた、素敵な色を塗りたくっていたとしかお答え出来ません。寝て起きて文章を書いて書いて書いて寝てまた起きてご飯を食べて寝て悪夢を見て起きる。その繰り返しが続いています。お医者様から頂いたおくすりは寝付きを良くする代わりに悪夢を見せる副作用があると言われているのです。あくまでも噂です。しかし、気狂いの間の噂は実体を持ってそれぞれに襲いかかる、それもまた事実なのであります。<br />
　キリハラは何日も続けて悪夢を見るので、まるで中南米の伝奇作家になったような気分です。毎朝五時までには目を覚まします。悪夢の体感時間はもっと長いので、嗚呼、辛かった、もう昼頃になってしまたかと思いカーテンを開けてみると、夏至過ぎの、東雲の空が広がっているのみでありまして、烏がそこら中を飛び回ってはカァァケァァと鳴いています。悪夢からの目覚めはやたらにすっきりしたものでありまして、現実が夢の続きかと一瞬混同してしまう程ですから、再び寝る気にはなれず、マックを立ち上げて文章を書きます。毎朝、二十〜三十枚。一日の内に、その文章と、小説をいくばくか、そして読書、音楽鑑賞、暑気を浴びるための散歩など繰り返しています。<br />
　雨は上がる時節です。梅雨は明けるのかと誰もが期待を持って空模様を眺めています。キリハラは、梅雨が明けて夏になるまでの、間隙に自分がいると考えます。何故なら、入道雲が出ていない。通常八月が積乱雲の最も高い時期ですが、夏に入れば、入道と呼んでも差し支えない程度の代物が空にむくむくと盛り上がり、のっしり太陽を遮るではありませんか。それがまだない以上、夏には、残念ながら、そう、こんなにも暑いのに、なってはいないのです。<br />
　本日は久しぶりにスーツを着て、初対面の企業家様に面談の時間を設けて頂きました。スーツ！革靴！夏に似合わない制服！しかし、スーツを止めて私服などにしてしまったら、会社員の方々はモチベイションを落とすでしょう。ネクタイを締め、窮屈な思いをし、暑い中を歩き回って得意先や銀行に赴く事で、社会は成り立っています。また、工場員の方々は緑の制服を着て、ラインを動かします。物を作り、推し、売り、いくばくかのお金を頂く、または人を紹介し、やはりお金を頂く、そのようにして世の中は動くべきだと思います。決して、右から左に金銭を流してかすりを取るなど。<br />
　それが罷り通っているから、今の不況があるのではありませんか。まったく。やれやれ。嗚呼。何たる事。もう。ねえ。はは。<br />
　時間を下さった方は、キリハラの父と同年齢ながらエネルギィに満ち満ちていらっしゃり、闊達として頭の回転も速く、魅力的に過ぎる程でした。褒め殺しのようです。そでない。そうではありません。実際その通りだったのですから仕方がない。<br />
「実は私、病を持っていまして」<br />
「成る程。それはしっかり治さなければならない。多くの同じような人間がいるけれど、中途半端な状態で復帰してまたぞろ落ち、癖になってしまう場合もあるからね」<br />
「はい、耳に痛いお言葉です」<br />
「はは。だから、君、君はね、休め。しばらくゆっくりしなさい。きっちり治して、完全な元気を取り戻したら、また会おう。その際に使うため、履歴など後日郵送してくれたまえ」<br />
「ええ、勿論。ありがとうございます」<br />
　といった会話が為されたかどうかは別として、自分が如何に上がり症であるか、人とビジネスベースで会うのに緊張するか、人との間でテンションの張りつめる感覚がどれだけ気持ち良いかを思い出させて頂き、有意義な時間となりました。<br />
　嗚呼、髪を切らなくては。革靴を磨かなくては。父に、前日言われたのです。<br />
「息子、君のあの革靴は、皺だらけのようでみすぼらしい。何とかならないのか」<br />
　実際にはしわくちゃでありません。母は答えて言います。<br />
「あら、綺麗な革靴よ。黒でないだけで」<br />
　黒い革靴を、お金が出来たら買おうと思います。<br />
　再びスーツを着る仕事に戻ったならばのお話です。<br />
<br />
<br />
　ホテルパラレル<br />
<br />
　ホテルパラレル。私は両親を待っていました。一人で、家の中で、電気もつけずに。両親はどこへ出掛けたのかは分かりませんでしたが、間もなく戻って来る気配だけがありました。裏の扉の鍵を開ける音、鍵は古いものですから、がちゃがちゃと何度も動かさなければ決して空きません。それを、ホテルパラレル、お父様は、間もなくして、必死に回し、家へ入って来ました。私が結界と呼んでいる、小さな家の中に。お父様はやや酩酊気味で、楽しげに私の名を呼びました。出掛ける前は体調不良で不機嫌だったのに、何があったのでしょう。私はそんなお父様の姿を見て、却って気分が悪くなりました。階段を、ホテルパラレル、狭く高い階段を、お父様が前、お母様が後ろの順で上っていらっしゃります。私は真夏の蒸し暑さにかまけて顔を洗っておらず、前髪が額に貼り付いていました。服は汗臭く、アスンシオンの気候を体現しているようで、或いはそう、ボゴタの日中のようでもありました。南は、太陽に、近い。太陽は常に南にあります。両親は、その最中を汗一雫かかず、帰って来たのです。ホテルパラレル。私は、お父様から差し出された瓶麦酒を飲みながら、ダイニングで気分が悪く、お母様の時折質問される、新しい仕事についてのお話に、いい加減な返事をしていたような気がします。やがて、そこに気付いた酩酊のお父様が、詳細を聞き出そうと問い掛けました。「君、新しい仕事は見つかったのかね」ホテルパラレル。「いえ、友人のつてで頼んでいたお仕事、イスタンブルのガラタ地区でウェイトレスをするというホテルパラレル、お話、あれはなくなりました。ニューオーリンズのカフェは潰れたそうです」「君、適当な嘘を吐くものではない。僕達には分かっているよ。君が彼らと連絡すらとっていないことを」国際電話が高い。それだけの理由で私は連絡をあまりとりませんでした。その点は事実であります。両親が、娘のかけた国際電話を肩代わりするのも如何なものかと思ったのです。「ホテルパラレル、あなた、娘は、ジジジと不快な音を立てているようです。嘘を吐いているのです」「そうだね、君、不快な、旧式発電機のようだ」「私は嘘など吐いておりません。通話記録を！」「最近の若い娘は、皆そういって物証を持ち出そうとする」「ええ、あなた、そのようです」私はさすがに怒りを覚えました。「嘘など吐いておりません。ガラタの料理店は言葉が通じない点から立ち消えになり、ニューオーリンズは、なくなりました。今や町すら」ホテルパラレル。哀しい事態なのです。私は様々な場所で職を探したものの、何一つ上手く行かなかった、それだけだというのに。「娘、君、ねえ、嘘を吐くのは本当に止めたまえ」「嘘を吐いていますね、娘。あなたをこれまで養って来たけれど、お金はもう渡しません。ホテルパラレル」ホテルパラレル。嗚呼、そのようにして私の小さな胸は爆破され、肋骨が背骨から外れかけました。ホテルパラレル。私の手は麦酒瓶に伸び、いつの間にかお父様の頭を割っていたのです。「君、娘、僕の頭を割っても何一つ出て来ない。アルコールくらいのものだ」「ええ、あなた、娘はただ慌てているだけです」ジジジ。私の口は、開かないまま、歯の隙間から、不快な音を発します。「娘、ほら、嫌な音を出して」「ああ、まったくだ。この先養って行くなどとてもとても」ホテルパラレル。お父様の頭を醜く割った瓶は、頭蓋骨に跳ね返されてやはり砕け散っていました。その尖った部分を使って、ホテルパラレル、自分の両腕をざくりざくり、深くなぞるように、混乱したまま傷つけて行くと、肋骨を吹き飛ばした怒りは更に増幅されて行くようでした。お母様は何も言わず、ランダのような表情をして固まっていらっしゃり、お父様は罵倒の言葉を投げ掛けて来ました。「君、娘、その下らない瓶を捨てなさい。君が自傷をしようとも、僕達の心は変わらない。自傷などというものも、きっと嘘なのだろう。そうに決まっている」「え、え、あ、なた」お母様の口調はたどたどしくなりました。私の右足はお母様を放って、お父様の脛や股、腹を蹴りました。ホテルパラレル。「やめ、なさ、む、す」お母様の仰る言葉は既に原型を留めていません。瓶で肩や頭をひどく叩く私は、やはりランダの形相になっていたかもしれません。「娘、君、ホテルパラレル、無駄な抵抗というものだよ。既に手遅れかもしれない」仰る通り、全ては手遅れのように感じられました。「全ては嘘なのだ。全ては嘘なのだ。全ては嘘なのだ」煩い、と思いました。ホテルパラレル。いい加減やめろというお説教も聞かず、罵倒も無視して私は自分とお父様を殴り、刺し、蹴りました。アスンシオンの、よく見られる光景だったように思います。間もなくお父様は狭く、高い階段を落ちて行き、ヒヨドリを閉じ込めた鉄の箱に頭をぶつけて動かなくなりました。お母様はそこに至って初めて泣きました。私も、同じように、ホテルパラレル、涙を流し、髪を白く染め、服を身体に貼り付かせて、肩で息をしながら、腕の痛みを知ったのです。ホテルパラレル。そう、全て手遅れであり、何もかもを失ったと、やっと理解したのです。お金はもうありませんでした。働き口も見つからず、ボゴタにもアスンシオンにもガラタ地区にも破壊されたニューオーリンズにも、居場所はありませんでした。ランダと化したお母様と生きて行くしか。ホテルパラレル。そう、真夏に繁殖した赤蟻がジジジと煩くて、このような羽目になったのです。ホテルパラレル。ホテルパラレル。私は、ホテルパラレルの娘。お父様を埋めました。両腕に包帯を巻くと汗でべたべたし、傷口が膿むのです。間もなく沸いた小虫が肉を食み、骨から飛び立ちます。鳥のように。]]></content></entry><entry><title>ハンマーヘッドストライキ</title><link rel="alternate" type="text/html" href="http://ki4.wib01.com/?eid=929413" /><id>http://ki4.wib01.com/?eid=929413</id><issued>2010-03-18T03:04:44+09:00</issued><modified>2010-03-17T17:56:24Z</modified><created>2010-03-17T18:04:44Z</created><summary>　キリハラの大親友であり元ギタリスト、更に元ベーシスト、更に更に元劇団員で現在は音楽を志向しながらも舞台に出たりお金を稼いだりしている永遠の青年で、且つ毎日カレーを食べてはウェブログ『365カレー（∞）』に写真やら感想をアップロードしており、前身に当たる『...</summary><author><name>キリハラ</name></author><dc:subject>悪魔超人の食卓</dc:subject><content mode="escaped" type="text/html" xml:lang="ja"><![CDATA[<img src="images/100317.jpg" width="147" height="175" alt="Kaito" class="pict" align="left">　キリハラの大親友であり元ギタリスト、更に元ベーシスト、更に更に元劇団員で現在は音楽を志向しながらも舞台に出たりお金を稼いだりしている永遠の青年で、且つ毎日カレーを食べてはウェブログ『365カレー（∞）』に写真やら感想をアップロードしており、前身に当たる『365カレー』はヤフー！のお薦めサイトに取り上げられて一日四千アクセスを獲得した時期もあった（勿論、一日四千アクセスを稼ぐウェブログなど世の中に五万とあるが、カレー食べてヤフー！で四千っていうのが珍しかったんだよ）No.4から次回公演の案内が送られて来た。<br />
　曰く、「腐った記をちょくちょく読んでいる。今のお前にメールを送っていいやら迷ったものだが決意して送ったんだから是非また来て気違いみたいに感想を書いて行け」とのことで、文面は脚色してあるものの、読者諸賢にも彼の言いたい事は伝わったと思う。要するにお芝居観に来ないかってことよ。そしてキリハラは常に暇な身であるから是非行ってみたいと思う。しかし、そう思って今しがた日程を確認した所、何とまあもう始まっているらしい。これはびっくり。四月辺りの告知かと予想していたらば、参ったね。参ったというかちゃんとメールを読まなかったこの馬鹿野郎が悪いのである。今からでも予約をして新宿へ赴かなければならないのである。ところが今年に入ってキリハラが力を入れているところの、とにかく片っ端から小説やらエッセイの賞に応募する計画が進行中であって、二十日に一つ（一瞬で書く）、三月末に三つ（うち一つは完成）、四月十日に一つ〆切があり、どれも長くはないが二十日を除いて短くもないためがりがり書かなくてはならない身でもあるというか、正直腐った記を書いている場合ですらないのだが、それはさておくとして、何かさ、ちょっと行くのきついかもしれないんだよね、ごめんよ。<br />
　と、ここで詫びても仕方がないので機を窺いつつ行くか否かの返信を出す予定ではいる。結局暇なんだか暇でないんだかよく分からない。おそらく暇と言えば暇、暇でないと言えば忙しいのだろう。いずれにせよ今月中に二度は人と会う約束があり、そこのタイミングに合わせて出掛けても良いような気はする。何しろ、創作に触れる事はそのままフィードバックを頂く事に他ならないものだから。絵であれ音楽であれ映画であれ芝居であれ、生ものと差し向かうに勝る刺激はない。これは間違いない。だから、キリハラは音楽を聴きながら小説を書き、書く前には友人から頂いたポートレイトを眺め、合間合間にル＝グィンの小説を読むのである。そうすることに心身の力を費やしてこそ、創作に対する力は強まる。ただし、漫画だけは気が抜けるから控え目にしなけりゃいけないよ。<br />
　このように、書いて心身をすり減らし、書かない時にも心身をすり減らし、相乗効果で髪は白く変色して行く。もっと他にやりようはないものかと色々探ってはいるのだけれど、今の所ましな方法は見つかっていない。幸い白髪はまだ殆ど目立たないから、四月になったら酒でも飲みつつ負担の軽い手段を考えてみようと思っている。思っているだけで多分しない。きっと酒を飲むだけである。<br />
　もしかすると、その、酒を飲みながら書くのが一つの手になるかもしれない。だが悲しいかな病弱なキリハラは一人酒や寝酒を医者から止められている。<br />
「飲むなら楽しいお酒をね」<br />
　先生、一人でも楽しかったらいいんですか。<br />
　そう訊いたら多分仏の竹やん（勝手に付けた医師のあだ名）もさすがにキリハラを見捨てそうに感じられ、それはきっと真実であるから、ちょっと怖くて試せない。<br />
　ところで公演と言えば以前拙作が採用されたCreative Configurationさんという劇団の朗読公演が四月頭に開催される。こう書くということはつまりキリハラの作品が採用された訳で、皆様宜しければお越し下さい。場所は駒込です。以下、詳細。<br />
<br />
　Creative Configuration C2-Reading　vol.08　『Sakura』<br />
　　日程：一〇年四月三日(土)・四日(日)<br />
　　時間：それぞれ十三時、十六時、十九時〜<br />
　　場所：ギャラリー La Grotte<br />
　　チケット代：千五百円、下記頁に記載のメールから予約<br />
　　詳細：http://www.c2-project.com/c2-reading_info.html <br />
<br />
　今回は頑張って書いたのを一作と〆切間際に「こういうの受けんじゃねえ？」なんてふんぞり返ってさらさら書いたのを一作送ったら、後者が採用された。喜んでいいのか悪いのか分からない。正直な所をここで申し上げるのもなんだけれど、受け狙いを読まれるのは少し恥を感じてしまう部分がある。それを能力と褒めて下さる方もいらっしゃり、実際商品を目指すならば受けるというのは大事な要素だとも分かっている。ただ、我を通す力が足りなかった点に悔しさを覚えるのも事実なのである。<br />
　で、次はまた渾身の作品で我を通させてみせると誓ったらいい加減長くなっていたからお終い。いや別に長くはないんだけどさ、あんまり長くするとみんな読んでくれないから。]]></content></entry><entry><title>パスタを茹でろ、飯を炊け</title><link rel="alternate" type="text/html" href="http://ki4.wib01.com/?eid=923202" /><id>http://ki4.wib01.com/?eid=923202</id><issued>2010-01-28T18:00:46+09:00</issued><modified>2010-02-01T02:10:25Z</modified><created>2010-01-28T09:00:46Z</created><summary>　昔からキーボードはノートパソコンのような薄いタイプが好きで、逆にウィンドウズ系の色々、特に言えば一度日本から撤退した巨大パソコンゲイトウェイの見た目も押し心地もごついキーはあまり好きではない。ではデスクトップなどやめてラップトップ（この表現って使わな...</summary><author><name>キリハラ</name></author><dc:subject>悪魔超人の食卓</dc:subject><content mode="escaped" type="text/html" xml:lang="ja"><![CDATA[<img src="images/100128.jpg" width="123" height="175" alt="福満しげゆき" class="pict" align="left">　昔からキーボードはノートパソコンのような薄いタイプが好きで、逆にウィンドウズ系の色々、特に言えば一度日本から撤退した巨大パソコンゲイトウェイの見た目も押し心地もごついキーはあまり好きではない。ではデスクトップなどやめてラップトップ（この表現って使わなくなったよね）を使えば良いと仰る方もいらっしゃろうけれど、ラップトップは値段とスペックのバランスを考えるとデスクトップよりも一段階劣るし、何よりあの薄い液晶画面が心許なくて敬遠していた。今もしている。ので、自腹を切ってラップトップを買ったことはない。それにキリハラは何度も書いている通りマッキントッシュユーザーなもので、ウィンドウズのように手ごろな価格でそこそこのラップトップを買うことが出来ないし、実家でしかパソコンを使わないこともあって置き場所を考える必要があまりない。更にアップルは一般ユーザー向けにディスプレイ―本体一体型のiMacやeMacを発売している訳であって（後者はフェイズアウト）、机のここにタワーを置き、こちらにディスプレイを置き、必要に応じてパソコンラックを買いといったウィンドウズユーザー様が頭を悩ませる事柄にかかずらなくても良いのである。<br />
　勿論マックプロなどを使うヘヴィユーザーの方は別としても、彼らはそれに応じたスペースとインフラを既に持っているであろうから、さほど問題にはならないと思われる。全然関係ないが、以前アップルのウェブストアでフルチューンしたマックプロの値段を出してみた所、百二十万円を超えていた。うーん、君、それはどうやって買えばいいのかね。ミリオンって何かね。ミリオンダラーベイビーのことかね。クリント･イーストウッドか。更に脇道へ逸れるなら、ジェームズ･キャメロンか。『アヴァター』なのか。貴様、キリハラは観ていないけれどあんな映画が素晴らしいというのか。何でもアメリカでは、華美且つ流麗な映像に心酔し過ぎて醜い現実に戻り切れず、思い余って自殺を図った者までいたそうではないか。それって良い事なんでしょうか。韓国でネットゲームの世界から帰って来られず自殺した引き篭もりと同じなんじゃないですか。もしくは『暗い日曜日』を聴いて自殺した数々の人々に似ているんじゃないですか。そうでもないか。『暗い日曜日』は時代背景が全然違うしね。<br />
　話を元に戻すと、キリハラがボーナスで買った新型iMacアイラヴューは往年の日立フローラシリーズを想い起こさせる薄型一体デスクトップで（液晶！）、おまけにキリハラの大好きな薄いキーボードだった。昨今、押す感覚を求めてラップトップまでが高めのキーに設定されている状況を鑑みるに、これは革命的と読んでも差し支えない決断だったのではないだろうか。さすがジョブズ爺さん、やりますな。マウスも能面ながらスリーボタン式の能力を持っているとあって、キリハラは感動し切りであった。何か面倒くさそうだから使わなかったけど。<br />
　薄型キーボードの何が良いかというと、手首を浮かせずにタイプ出来ることが一つ。これによってジェル手首置きといった無粋な代物を使わなくて済む。そしてもう一つ、単純に打った時の感覚が気持ち良いのである。オノマトペで表すならば、通常のデスクトップ用キーボードがカタカタないしカカカカであるのに対し、薄型、従来のラップトップ用キーボードはパチパチという音がする。キータッチも柔らかい。ここがいい。指を立てずに、半ば撫でるようにして文章をタイプして行くのは非常に心地が良い。多分好みが分かれる所だと思うけどね。キリハラは好きなのである。ただ、他のマックユーザーが昔ながらのデスクトップタイプをご所望とあらば天下のアップル様も考えを変えなければいけないだろうから、その点は今後の動向を注意して見守りつつ、ラップトップ型キーボードの良さを周囲に啓蒙したいと思う。というかもうしているのだけど、芳しい答えが帰ってきたことは一度しかない。皆様カタカタがお好きなようである。<br />
　ただ、昨今のラップトップ低価格化と会社における省スペース化を考え合わせれば、パチパチキーボードに慣れてくる方々が増えるのも時間の問題と思われる。実際キリハラが最後に勤めた企業でもラップトップ化が進んでいたし、連れの会社も同様の傾向にあるようだ（これにはもう一つ理由があって、パソコンを閉じていれば帰った証拠になる）。嬉しい。ディスプレイが液晶の薄型になり、タワーも厚みを失ってきた。次はキーボードではないかと期待してならないのである。<br />
　ところでここ一年、キリハラはアル中かジャンキーと間違われることが多い。それは酒を飲む度に泥酔したり、部屋で一人スコッチをすこっちやっていたり、おくすりをのんではっぴーになっていたりするからなのだが、まあ、こうして書き出してみればアル中ジャンキーに他ならないから反論の余地一切なし。困ったものである。しかもその一方で、止めるべき立場にあるはずの連れも時折頭の悪い酔い方をしてキリハラの実家に押しかけてビールを飲んで帰ったりしているのでなかなかキリハラを止められず、質の悪い二人組となっている。やれどうしたものか。繰り返すが、困ったものである。そして読者諸賢がご想像の通り、この文章はお酒を飲みながら書いている。ビールである。アサヒザマスターの五百ミリ缶とヱビス超長期熟成である。銘柄はともかくとても美味しい。ほんの二、三年前まで全く美味しいと感じなかったのが、どうしてこうも変わったのか。それには生ビールと缶ビールの存在が大きく横たわっている。言葉を変えれば瓶ビールは面倒だから嫌いだったのである。<br />
　キリハラは家族間など気の置けない間柄の人とビールを注ぎ合うのは嫌いではないが、公式の場で隣の人のグラスの残量に気を遣いつつ注ぐタイミングを計ったり、逆に「飲みが足りない」と、半分残っているのに注がれて飲まざるを得ない状況に陥るのが大嫌いで、ビールと長らく慣れなかったのもそこに原因がある。勿論、いつも出て来るスーパードライが不味かったのもあるけれど。そこに来たのがサッポロの生ビールだった。生は当然ジョッキに満杯の状態で持ってこられるため、乾杯さえすれば後は好きに飲める。そうして飲むと、夏の仕事後など、最初の一口が美味い。当初は一杯だったのが、やがて二杯、三杯と量を増やして行くのは必然と言えた。言えない？うん、言えません。飲みたい盛りの言い訳です。で、酒の席でビールの美味しさに目覚めると、何となしに缶ビールを飲むようになる。キリハラは、タモリ倶楽部で酒の回をやっていると「あービール美味そうだなー飲みたいなー」などと呟いて、母親の一言「じゃあ飲む？」に釣られサッポロ黒ラベルを飲むようになった。そして現在は連れの家でヱビスを飲むのが日常化している。<br />
　そんな訳で、上述した通り、この記事を缶ビール片手に書いているという次第なのである。限定醸造のヱビス超長期熟成は苦味と深みの強い、ある種癖のあるビールなのだがそのバランスが日本人に丁度良くブレンドされていてとても美味である。皆様も飲まれたし。<br />
　ヱビスと言えば、ギネスの販売権をキリンに持っていかれたが、その前から黒ビールの製作に着手していたらしく、昨年の盛夏に新たな商品「ヱビススタウトクリーミートップ」を直営店で販売開始している。これがまた美味しい。何やら本日はキーボードとアルコールの話題に終始しているがご勘弁願いたい。だってここ、俺のウェブログじゃん。<br />
　やはりというか何と言うか、バドワイザーのスッキリ感もカールスバーグのバランス感覚もバスペールエールの苦味も良いのだけど、日本人が日本人向けに作ったビールは美味しい。上でスーパードライを不味いと書いたが夏にビアガーデンで生を飲んだら爽やかな心持ちになるし、サッポロの黒ラベルはジャパニーズスタンダードと呼べる出来だし、ヱビスは高級感がありながらも日本人の中流階級意識を忘れてはいない。お国柄というものは何だかんだで出るものだと思う。<br />
　キーボードも同じで、こちらは土地ではなく時代だが、キリハラは薄型、ラップトップ式キーボードを今が求めているように思えてならない。指も手首も疲れないし、何よりデスクトップ型よりエコっぽいから。<br />
　まとめにも何にもなっていないが、きょうはお終い。小説の仕込をして寝る。ゲェップ。]]></content></entry><entry><title>グライダー、グライダー</title><link rel="alternate" type="text/html" href="http://ki4.wib01.com/?eid=921594" /><id>http://ki4.wib01.com/?eid=921594</id><issued>2010-01-16T05:27:43+09:00</issued><modified>2010-01-24T00:39:20Z</modified><created>2010-01-15T20:27:43Z</created><summary>　いい加減読者諸賢は気が付いているだろうし、キリハラ自身も隠す必要を感じなくなったこともあって、そろそろ書いてしまおうと思う。午前四時。朝にも夜にもなり切れない空白のような時間帯がそれにふさわしいかどうかはよく分からない。まして読者の方々（まだいらっし...</summary><author><name>キリハラ</name></author><dc:subject>隣の真面目さん</dc:subject><content mode="escaped" type="text/html" xml:lang="ja"><![CDATA[<img src="images/100115.jpg" width="161" height="175" alt="橙" class="pict" align="left">　いい加減読者諸賢は気が付いているだろうし、キリハラ自身も隠す必要を感じなくなったこともあって、そろそろ書いてしまおうと思う。午前四時。朝にも夜にもなり切れない空白のような時間帯がそれにふさわしいかどうかはよく分からない。まして読者の方々（まだいらっしゃるなら恐悦至極）が読まれる時間に合った話題なのか、読んだことで引くことになるのかどうかは尚更分からない。でも書く。暇だし。<br />
　何を書くかというと、キリハラが病気と認定されてから本年でめでたく五年の節目を迎えることである。五年と言えば小学校に入学した生徒が最高学年にまで上り詰め、旧ソ連の五ヶ年計画が成就しコルホーズが成立する、また五ヶ年計画というと他にも中国を始めベトナム、インドでも行われており、旧東側の国々ではメジャーな政策であったと言えるがそんなことはどうでも良く、それだけの時間をキリハラはウェブログに費やしたり大した量でもない本を読んだり、その中には、両親から命ぜられた病気に関する本があったり、嫌々それらを読んで症状が悪化したり、症状が最悪の時期に高校時代の同級生が遠く太平洋の向こうからさんざっぱらキリハラの生活を乱してまたぞろ症状が悪化したり、そいつと同窓会で顔を合わせた後に二度と会わない旨を伝えたら半年に渡って「殺しに行く」といった剣呑な内容のメールがひっきりなしに飛んできてまあたまたまた症状が悪化したり（今も飛んできているかもしれない。刺激するのが面倒くさくて着信拒否にしたからもう現状は不明）、生産的なことは何一つせず、寝たり起きたりまた寝たり、文章の安定化と底上げ程度しかやって来なかった挙げ句金もなくなり仕事もままならず、まあそういう誰でもする話はいい、兎にも角にも長い時間を無為に過ごして参った。両親との諍いも多かった。布団を被って泣いていた。そんなどこにでもある話だがまさか自分の身に起こるとは思ってもみなかったし、最初に認定された時は辛い場所から解放される程度の認識だったこともあって、五年経った今、やっと自分が病気になってしまったことを認知出来ている。<br />
　キリハラは鬱病である。みんな、多分知っていると思うけどね。<br />
　今まで直接的に書かなかったのは記４が告解の場所ではないとの認識、キリハラのドバイ建築ばりに高いプライド、あとは冒頭に書いた通り読者諸賢が引かないか心配だったから。とは言え箱庭療法を受けるだのなんだのの記述があったことからとっくのとうにキリハラの状態など理解しており、必死に核から逸れた場所を行こうとしている姿に苦笑された方もいらっしゃるかも知れない。だとしたら申し訳ない。謝る必要はないのか。<br />
　ただ、病気になってしまったような書き方をした後で何なのだけれど、子供の頃から病気とは行かないまでも、今思えば明らかに人と違う気鬱を持っていた自覚はある。また、気鬱と共に、半年に一遍訪れる「万能の一週間」と自身で名づけた短い期間も存在した。思えば半年に一度だけ躁状態に陥って寝なくても平気な精神状態を手に入れ、しかもその事を自覚していたのは躁鬱気質以外の何者でもないと今振り返れば捉えられる。そして、同じように自分の気質は危ういとも感じており、いつか折れて二度と自分が持っている領地には戻れないことも薄々分かっていた。そんでもって薄ら寒い予感は大当たりだった。<br />
　キリハラは、自分が義務と感じた事以外は好きな物事としか向き合わない惰弱な人間で、今もそれは変わらない。だから学校を出てしまったら何処かのタイミングで折れると思っていたし、事実そうなった。社会人を始めて二年と少しの間は騙し騙しでも楽しく過ごせていたからもしかしたらと期待したものの、ある時を境に坂から一気に転げ落ち、再度上る気力もなく現在に至る。では何故そこで別の坂を上る努力をしなかったのか。そこがキリハラ最大の気質的問題だと考える。一言で言えばキリハラは予想していたことだから、自分の人生は取り敢えずここまでと思ってしまったのである。我ながら酷い話である。まともに働いている方々が聞いたら、今からこいつを殴りに行こうと画策するかもしれない。<br />
　しかしながら一旦折れはしたものの再度挑戦する程の気概は四半世紀生きた十八歳の青年に残っており、潰れに潰れて最後会社を首になってから半年足らずで再就職したことだけは評価されてもいいように思う。また半年で首になったけど。ここで、はてと思われた方もいらっしゃろう。何故ならキリハラは当ウェブログに長い間会社のことを書いてあったからである。結論から言えば、あれ全部嘘。時系列的に読み返して頂けると分かるのだが、一昨年の暮れ辺りはキリハラ大体嘘を吐いている。会社であれこれあったと書きながら、実際には既に無職の身であった。騙されたかね、君。<br />
　騙されて下さった方には申し訳ない。謝るから許して下さい。必要なら頭を下げてもいいんだよ。<br />
　何だか書いている内に楽しくなってきたのだが、つまりこの記事で何を主張したいかというと、キリハラが虚も実も失って最後に残されたのが文章だったのである。<br />
　いや話がいきなり飛躍してしまった。キリハラは二度目の会社勤めに失敗した後一年程就職活動をしていたのだが、如何せん不景気であるし二社目の在職期間が短い、経理ながら特殊な位置づけにいた、覇気がない、等々あって上手く行かず、二度の潰れの原因が特定出来ずにいたこともあって、昨年末から先ずはアルバイト、そして社会人に復帰するプランを家族会議にて決めていた。それから何社も蹴られたのち受け入れてくれた深夜バイトが今年始まって、さて現場に向かおうとの段になって発作とかブランクとか色々なものから来る強烈な気鬱、要するに会社で潰れた、具体的には朝目が覚めても辛くて出社出来なかったのと同じ状況に陥った。そこは散々難儀してどうにかこうにか初回の業務をこなし、二回目も吐き気を催しながら潜り抜けたのだが、本日三回目の現場があって、行くまでは何とか落ち着きを保っていたからこれは慣れてきたのか、社会性を取り戻したかと安心したのも束の間、現場に入ってから一時間ほど待機時間が生まれ、古き良きライトバンの中、社員含め六名で座っていたら今までにない気鬱が『ワルキューレの騎行』と共にやって来てしまい、運がいいのか悪いのか現場が都心部だったことから社員に嘘を吐いて逃げ出して、連れの家に転がり込んで今こうしてウェブログなど書いている。そろそろ現場は片付いて「あいつ大丈夫かな。辞めるかな」等と噂されているかも知れない。そうでないかも知れない。いずれにせよ、以上の経緯を経て残った生活の糧が文章だけなのではないのかと、こういう次第なのである。これでも飛躍しているか。生きる覚悟が足りないか。うん、その通りかも知れない。<br />
　勿論まだプロではないものの、昨年仕込んだ仕事が成功すれば全国デビューと相成るし、他にも鉱脈を探して何とかやって行く覚悟はある。人生の半分を文章に費やしてきた成果か、これに関してだけは何をしようと何を言われようとどんな扱いを受けようと辛くはなく、外に出て行って打ち合わせも出来る。まあ打ち合わせで酷い仕打ちを受けたことはないけれど、何とか乗り切れる確信はある。とは言ってもまだギャランティが発生した訳ではないし、それまでは何らかの手段で生活を維持しなければならない。連れにも定期収入の件は婉曲的に触れられている。ではどうするか。次回の現場に行けるのか。実際の所、そんな先のことは分からないため夜が明けたら医者と相談、親と相談、連れと相談してみるつもりでいる。今まで堕落した生活を送って来たその後で、万城目学みたいにモラトリアムをくれというのはなかなかにして図々しい話だし、やっぱりアルバイトしなきゃいけないんだろうなあとは思っている。<br />
　真っ当に生きていらっしゃる方々から見れば言い訳がましい贖罪的文章であろう。すいません。鬱病で苦しんでいる方々にも申し訳ない。こんなんなってごめんなさいとしか言えません。<br />
　今は、早く印税様になって恩返しやら見返しやら踏ん反り返しをしてやろうと意気込みつつ、来週火曜の現場をどうするか悩んでいるところである。<br />
　キリハラはグライダーなのでエンジンがなく、好き嫌い以外自分で決める事が出来ない今風の惰弱な気質だけれども、生活手段として唯一決められたのが文章だから、自分も言葉も何とかしてやりたいと思っている。勿論、連れもね。]]></content></entry><entry><title>ウェルディット！</title><link rel="alternate" type="text/html" href="http://ki4.wib01.com/?eid=911239" /><id>http://ki4.wib01.com/?eid=911239</id><issued>2009-11-09T00:52:11+09:00</issued><modified>2009-12-13T11:35:41Z</modified><created>2009-11-08T15:52:11Z</created><summary>　以前、テキスポといういい加減な文章サイトで書き出し縛り、一時間で書くという企画に参加した作品を、ブラッシュアップも兼ねて千文字にリライトしました。さすがに一時間では粗が粗があらあらといった様相で、新ふゆきょうに「一時間縛りだから勘弁してね」とのメッセ...</summary><author><name>キリハラ</name></author><dc:subject>どうかしてしまった小説</dc:subject><content mode="escaped" type="text/html" xml:lang="ja"><![CDATA[<img src="images/091108.jpg" width="168" height="175" alt="十六夜咲夜" class="pict" align="right">　以前、テキスポといういい加減な文章サイトで書き出し縛り、一時間で書くという企画に参加した作品を、ブラッシュアップも兼ねて千文字にリライトしました。さすがに一時間では粗が粗があらあらといった様相で、新ふゆきょうに「一時間縛りだから勘弁してね」とのメッセージを添えて掲載してはいるものの、読み返すと人様にお見せするのが恥ずかしい出来でした。千字ちょいなのに脱字もありました。もう死んでしまいたい。<br />
　しかし死ぬわけにも参りませんので他サイト投稿用に書き換えてみたと、こういった次第であります。<br />
　さて、明後日十八時締切の四千字小説、「覚」をテーマとした作品が未だもって一文字も書けておりません。どうしたものでしょうか。どうしようもねえか。どうしようもなかろうが締切に間に合わせて尚且つそれなりのクオリティを保つのが文章を書く人間の使命であります。そんで今、連れに「私が今まで締切を破ったことがあって？」と訊いたら爆笑されました。どうやらキリハラ、使命を果たせていない模様。<br />
　今回はそのような事態が起こらないよう明日一日で一気に仕上げて締切日は手直し程度で済む形にしたいと思います。<br />
　以下、手直し小説本文です。一つ前の記事に書いた朗読公演も宜しくお願い致します。<br />
<br />
<br />
　ウェルディット！（蘇）<br />
<br />
　僕のマーチにはドアが一枚ない。<br />
　一応助手席脇を塞ぐジュラルミン板とガラスはある。問題はその四囲が車体とアーク溶接してあること。ドアが壁の軽自動車。歩道から視線を感じることもある。<br />
　車がこうなった理由は簡単、僕の可愛い彼女、真冬が足癖の悪い子なのと何故か溶接に必要な機材を持っていたから。気が短い事も関係している。脚力が強いのも。<br />
　ドア溶接事件の経緯は、半年前に高速道路でたまたま窓を開けていたら、隣を通った半ヘルバイクが、あろうことか僕の助手席に火のついた煙草を放り捨てて来た。ただそれだけ。煙草は彼女お気に入りのチェックのスカートに落ちて、火が消えた代わりに焦げ跡を残した。<br />
　次の瞬間、彼女は顔色一つ変えずに纏う空気だけ鬼神のそれと化して、スカートを翻えらせ僕の僕の僕のマーチのドアにサイドキックをお見舞いしていた。見事ジョイントと鍵を弾いて青空の下へ身を躍らせ、半ヘルをバイクごと一車線吹き飛ばして中央分離帯に叩き付けた可哀想なドア。速度を出していなかったからまだ良かったものの、クソガキもとい半ヘルは打撲や擦過傷を山ほど拵えて泣き喚く羽目になった。悲鳴を上げながら許しを請う二人組を彼女はその名前にふさわしい表情で冷然と見下ろし、静かに言い放った。<br />
「財布」<br />
　結局次のパーキングエリアで免許のコピーをとって脅した挙げ句半ヘルを解放した僕達は、五月晴れの陽気な世界の誘惑に負けてドアを後部座席に突っ込んだままドライブを続行し、何とか警察の目を避けて地元に帰り着いたのだった。<br />
　で、翌日電話で呼び出され駐車場に行ったら彼女が既に溶接を始めていたと。<br />
「綺麗にくっ付くよ、これ」ケラケラ。<br />
　文句を言ったら殺されそうに思えたのと、案外違和感なく仕上がっていたので、僕は彼女の蛮行を半笑いで許すことにした。悲しかったけど。<br />
　彼女が足の裏で蹴り飛ばした箇所は靴の形に凹んでいる。まるで日比谷かハリウッドみたいだけど、怖いから口に出したことはない。<br />
　チェックのスカートはカツアゲ同然に巻き上げた慰謝料で色違いを手に入れた。灰色のタートルネックに合わせると如何にも大人しげな雰囲気で、ドアを破壊する悪魔には見えない。<br />
　助手席側のドアが開かないから出かける際は先ず彼女が運転席からギアをまたいで乗り込む。その時にスカートの裾から覗く太股や何やらは、言えないけど見栄えが良くて、僕はその時だけ嬉しい気持ちになる。]]></content></entry><entry><title>らーめんつけめん俺出禁</title><link rel="alternate" type="text/html" href="http://ki4.wib01.com/?eid=910648" /><id>http://ki4.wib01.com/?eid=910648</id><issued>2009-11-05T21:45:30+09:00</issued><modified>2009-11-05T12:35:56Z</modified><created>2009-11-05T12:45:30Z</created><summary>　本日はちょっとしたお知らせがございます。
　今月末、都内にてわたくしキリハラの小説作品が朗読に使われることとなりました。細かい経緯は省きますが、コネではなくコンペであったことだけ自慢させて頂きます。この「〜させて頂きます」という表現がわたくし大嫌いで...</summary><author><name>キリハラ</name></author><dc:subject>小説がどうかしてしまった</dc:subject><content mode="escaped" type="text/html" xml:lang="ja"><![CDATA[<img src="images/091105.jpg" width="143" height="175" alt="桂ヒナギク" class="pict" align="left">　本日はちょっとしたお知らせがございます。<br />
　今月末、都内にてわたくしキリハラの小説作品が朗読に使われることとなりました。細かい経緯は省きますが、コネではなくコンペであったことだけ自慢させて頂きます。この「〜させて頂きます」という表現がわたくし大嫌いでありまして、他の表現がないものか一瞬逡巡したものの、結局ニュアンスとして一番近いだろうとの結論に達し使わせて頂きました。ああ、また。<br />
　具体的な話を致しますと、Creative Configurationさんという小規模な劇団が演劇公演とは別に定期的な朗読公演というものを行っていらっしゃいまして、そこで使用する詩・小説を毎回公募されているのです。そんで応募したら採用されました。嬉しい。<br />
　以下、情報と詳細頁へのリンクを書いておきます。東京近郊在住の方は是非に。<br />
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　Creative Configuration C2-Reading　vol.06　『冬』<br />
　　日程：〇九年十一月二十八日(土)・二十九日(日) <br />
　　時間：それぞれ十三時、十六時、十九時〜<br />
　　場所：ギャラリー La Grotte<br />
　　チケット代：千五百円。<br />
　　詳細：<a href="http://www.c2-project.com/c2-reading_info.html" target="_blank">http://www.c2-project.com/c2-reading_info.html</a><br />
<br />
　改めましてこんばんは読者の野郎女郎共。今しがた机に置いてある就寝前用の顆粒お薬を見てみたらば、一包を三日に分けて飲むはずが一日で三分の二を消費しておりましたようで、空の袋だけが寂しそうに鎮座ましましております。これはどうしたことか。机の下にアイリッシュブレンディッドウィスキーの代表格であるところのタラモアデューを常備しているのがいけないのか。最近、恵比寿ガーデンプレイスのビアステーションに行かないと巨大ジョッキで飲めない琥珀エビスビールが期間限定缶で出たものだから毎日補充してはガバガバ飲んでいるせいか。酒！酒！酒！酒が眠りを妨げているのでしょうか。とにかく薬の量が増えております。勿論本当のところは昼間やら夕食後に惰眠をかこつているからなのですが、病人というものはそのような問題を認めたがらないものであります。キリハラの病的な部分が酒による抑制を欲しておりそのアルコヲルこそ睡眠障害の元である。そんな小理屈をこねておる昨今でございます。寝ようと酒を飲もうと結局キリハラの勝手な訳ではございますが、どちらにしても薬の量が増えてはいけない。ですから今後の課題と致しましては寝る前の薬は酔っ払っていてもあんまり増やさないようにしようねと、まあこういう結論なのですな。<br />
　当然のことながら、この文章は小田嶋隆よろしくお酒を飲みながら書いております。誠にもって申し訳ない。拙者まるでだらしがない。だってウィスキーがおいしいんだもの。この一ヶ月程で多少増えた執筆量の影にはタラモアデューとかアーリータイムズの存在があるんだもの。仕方ないじゃない。おや、そう言っている間にショットグラスからタラモアデューが消えたのでタラモアデューの瓶からタラモアデューをタラモアデュー専用ショットグラスに補充しなくてはいけませんぞ。ゲラゲラ。これを書き終えたら十日締めの四千字小説を書き散らして夕飯を頂いて寝て起きて連れが作成した決算短信を読んで神妙な心持ちになる所存でありますぞ。<br />
　話は変わるがわたくしの文章は読点が少ない。そして一文一文が長い。この冗長さと詰め込み感が初見の方に読み辛いという印象を抱かせてしまうのでしょう。しかし十年前、まだ十八歳を始めて間もない頃は読点が多過ぎて読み辛いと友人から笑われておりました。それがトラウマとなって段々長文少読点へと移行して参ったのでありましょう。で、今度は逆の事を言われている。要するにバランス感覚がないのであります。もう十年書いたら丁度良い塩梅の文章を書けるようになっているのでしょうか。そしたらそれはそれで「普通の文章でつまらない」なんて言われそうで恐ろしい。嫌な世の中であります。文句を言った方が勝ち。大体勝ちってなんだ。負け犬が負け犬ではなくなることか。それでは勝ち犬が量産されるだけではないか。私は人間でいたい。犬畜生になどなりたくない。もし畜生になるのであれば一人暮らしのOLの飼い猫になりたい。とか書いている間に一文が短くなりました。<br />
　そんなことはどうでも良く、文章を書きながら酒を飲むと何やら筆の乗りがよろしくてですな、適当な事柄がすらすらと出て来るのであります。おそらく何も考えなくなるからでありましょう。心持ちは中島らも。毎日お酒を飲んで薬を飲んで文章を書いて人に好かれたり嫌われたりして、最後はろくでもない死に方をする。それもよかろうかと思います。問題はお酒と薬を買うお金が続くかどうかだけであり、特にウィスキーなどは高いのでどうしたものか思案のし所であります。タラモアデューはビックカメラのお酒コーナーで買いました。ビックポイントも付きました。いずれはビックポイントとマンションでも交換しようと思います。]]></content></entry><entry><title>九十八番に刺されて</title><link rel="alternate" type="text/html" href="http://ki4.wib01.com/?eid=907399" /><id>http://ki4.wib01.com/?eid=907399</id><issued>2009-10-21T18:52:16+09:00</issued><modified>2009-10-22T01:08:05Z</modified><created>2009-10-21T09:52:16Z</created><summary>　こんばんは、天才作家志望です。名誉も地位もいらないから生活して行けるだけのお金を文章で稼げるようになる所存です。しかし天才ならば結構なお金持ちになってしまうかもしれませんし、それに伴って名誉や地位も手に入れるかもしれません。文章を読むのが遅いのに文学...</summary><author><name>キリハラ</name></author><dc:subject>どうかしてしまった小説</dc:subject><content mode="escaped" type="text/html" xml:lang="ja"><![CDATA[<img src="images/091021.jpg" width="165" height="175" alt="初音ミク" class="pict" align="left">　こんばんは、天才作家志望です。名誉も地位もいらないから生活して行けるだけのお金を文章で稼げるようになる所存です。しかし天才ならば結構なお金持ちになってしまうかもしれませんし、それに伴って名誉や地位も手に入れるかもしれません。文章を読むのが遅いのに文学賞の選考委員に抜擢される可能性だってございます。たまったもんじゃねえ。それはさておき文章を読むのが速い方は老若男女問わずうらやましいと感じます。速読術にお金を払うほどではないけどそう感じます。具体例を挙げると、何度も当ウェブログに登場したキリハラの敬愛する文章書きさん、もう名前を挙げてもいいでしょう、高菜らいすちゃんが、ウェブログを訪れるにつけ恐るべき速度で本を読みまくっているようで、その度に戦慄してブラウザを落とします。しかもこの方、書くのもやたらと速い。速読速記。博覧強記。晴読書雨読書。読むのも書くのも遅いキリハラとしてはとてもいいなあなんて指をくわえるばかりであります。関係ないけど、しろー大野御大の漫画『しろー駄作劇場』にはスイエイ・ハヤーイという天才博士が出てきます。<br />
　つまり速いってことは天才の証なのではないでしょうか。よく知らんけど。だとしたら遅筆遅読のキリハラは非天才なのかしら。考えると嫌になってくるので今宵も小説を載せてお酒を飲んで寝ます。この間、友人から「アル中に気をつけろ」とのメールを頂いたので控えめにします。ただでさえ胃が重いのに、肝臓までやられたら死んだも同然であります。<br />
　ちなみに胃が重いのはペプシあずき味を飲んだからだと思います。<br />
　以下、本文。実は前記事の改稿版ですが、構成から直すのは珍しいので両方掲載する次第です。これで丁度千文字。叩き台にして二千文字、四千文字バージョンを作ってみようと思います。読んでくれ。<br />
<br />
<br />
　　　九十八番に刺されて<br />
<br />
　廊下を走ってはいけない。そう校則の第二条に書いてある。理由は蜂達が興奮するからで、彼らが生徒を刺せば事故になる。けれど様々な理由から廊下を走る生徒は絶えず、時折悲鳴が校舎に轟き、或いは慌てて教師に取り押さえられる。<br />
　刺された相手が八十番台のスズメバチまでなら保健室に血清が置いてある。でも、九十番台、森を支配するムクドリバチの物だけは何故か存在せず、刺されれば大抵死ぬ。ムクドリの名を冠した彼らは大きく、鋭利な顎と針で静かに人間を威嚇しているように見える。<br />
「イタル」<br />
　僕は幼馴染に名を呼ばれ、我に返った。<br />
「円」<br />
「あのさ」円は声を潜め言葉を継ぐ。「九十八番に刺されると九十九番になるって知ってる？」<br />
　九十八番はオオムクドリバチ、九十九番とは、何にも分類されていない漆黒の蜂を指す。最近、九十八番に刺されるとその黒い蜂に生まれ変わるという噂が流れている。<br />
　ムクドリバチがどうして森から出て来たのかは誰も知らない。森には蜂の王がいて財宝を貯め込んでいるという風説を真に受けた人達が森に押し入り、蜂達と戦争をし、そして負けた。それが今の状況を生み出したと聞くけど、定かじゃない。実際、鉢の王の存在は確認されていない。九十九番も単なる変種かもしれない。<br />
　とにかく九十番台を極力避けることが町で生きる人間の常識になっている。<br />
「蜂と喋ったことないから分からないよ」僕は困りつつ答えた。<br />
「うん」円は頷く。「でも、この間ミキが九十八番に刺されてさ、それから妙に私の傍をうろつく九十九番がいるんだ。何か私の周り飛び回ったり、目の前で止まったりして」<br />
「恐いね」<br />
　小さく被りを振る円。「ううん、怖くない。不思議……」言葉を切り、一瞬躊躇った後、懇願するように囁く。「イタルは、もし私が九十九番になったら怖がらないでくれる？」<br />
　僕は答えられず、チャイムが鳴って彼女は自分の席へ戻った。<br />
　翌週、円は友達を庇って九十八番に刺され、病院に搬送されたが結局死んでしまった。<br />
　間もなくして教室に九十九番が一匹増え、僕の周りを飛ぶようになった。円が言った通り、目の前で何かを訴えるようにホバリングすることもある。<br />
　円と最後に言葉を交わした時、彼女は九十九番に情を感じていたような気がする。それは今の僕にはよく分かる。ただ、僕が九十八番に刺されることを好しとするか、結果彼女の元へ行けるのか、それは幸せなことなのか。答えはまだ出ていない。]]></content></entry><entry><title>九十八番の後</title><link rel="alternate" type="text/html" href="http://ki4.wib01.com/?eid=907056" /><id>http://ki4.wib01.com/?eid=907056</id><issued>2009-10-19T22:38:42+09:00</issued><modified>2009-10-21T09:58:47Z</modified><created>2009-10-19T13:38:42Z</created><summary>お晩でございます。千文字小説コンペティションを毎月行われているウェブサイト『短編』さんに投稿予定の小説を置いておきます。初稿半くらいのものですが、千文字丁度ということもあって、このまま投稿してもいいかなと思いつつ、そんな甘い考えはいかんと自分を戒めてい...</summary><author><name>キリハラ</name></author><dc:subject>どうかしてしまった小説</dc:subject><content mode="escaped" type="text/html" xml:lang="ja"><![CDATA[<img src="images/091018.jpg" width="168" height="175" alt="御坂御琴" class="pict" align="left">お晩でございます。千文字小説コンペティションを毎月行われているウェブサイト『短編』さんに投稿予定の小説を置いておきます。初稿半くらいのものですが、千文字丁度ということもあって、このまま投稿してもいいかなと思いつつ、そんな甘い考えはいかんと自分を戒めている最中であります。<br />
　さて、このネタは設定上二千字、四千字と膨らましてゆけるものですので、今まであまり試したことのない、同じ話でボリュームを変える手法に朝鮮してみようかと思う次第であります。もしどこかで同じ話を見かけられたらば、そちらも宜しくお願い致します。へへ……。<br />
　以下、本文。<br />
<br />
<br />
<br />
　　　九十八番の後（餌）<br />
<br />
　廊下を走ってはいけない。校則の第二条に書いてある。理由は蜂達が興奮するからで、彼らが怒って誰かを刺したら事故になるからだ。それでも喫緊の理由から廊下を走る生徒は絶えず、時折悲鳴が轟き、或いは慌てて教師が抑えにかかる。<br />
　刺された相手が八十番台のスズメバチまでならば保健室に血清が置いてあり、アナフィラキシーが起こらなければ助かる可能性はある。ただ、九十番台、森にしか住まないムクドリバチの血清は未だに開発されておらず、命の保証はされない。ムクドリの名を冠した数種類の蜂は大きく、鋭い顎と針で静かに人間を威嚇しているようだ。<br />
　森には蜂の王がいて、財宝を貯め込んでいる。そんな噂を真に受けた人達が森に押し入り蜂達と戦争をし、そして負けた。それが今の状況を生み出したと聞くけど、定かではない。蜂がただ人間にちょっかいを出したくなっただけかもしれない。実際、鉢の王の存在だって確認されていない。<br />
　とにかく九十番台、特に九十八番のオオムクドリバチには近付かないことが町で生き残る方法とされている。<br />
「イタル」<br />
　僕は幼馴染に名を呼ばれ、我に返った。<br />
「どうしたの」<br />
「あのさ」アケルは声を潜めて言葉を継ぐ。「九十八番に刺されると九十九番になるって知ってる？」<br />
　九十九番とは、まだ何にも分類されていない漆黒の蜂を指す。<br />
「蜂と喋ったことないから分からないよ」<br />
「うん」アケルは微かに俯いた。「でも、この間ミキが九十八番に刺されてさ、それから妙に私の傍をうろつく九十九番がいるんだ。何か私の周り飛び回ったり、目の前で止まったりしてさ」<br />
「恐いね」<br />
　小さく被りを振るアケル。「ううん、怖くない。不思議」それから僕の傍らにしゃがんで、上目遣いに言う。「イタルは、私が九十九番になったら怖がらないでくれる？」<br />
　僕は答えられず、チャイムが鳴って彼女は自分の席へ戻った。<br />
　翌週、アケルは友達を庇って九十八番に刺され、病院に搬送されたが治療の甲斐なく死んでしまった。<br />
　間もなくして教室に九十九番が一匹増え、僕の周りをうろつくようになった。アケルが言った通り、目の前で何かを訴えるようにホバリングすることもある。<br />
　アケルと最後に言葉を交わした時、彼女は九十九番に情を感じていた。それは今の僕にはよく分かる。ただ、僕が九十八番に刺されることを是とするか、結果彼女の元へ行けるのか、それは幸せなことなのか。答えはまだ出ていない。<br />
]]></content></entry><entry><title>T.K.G.+</title><link rel="alternate" type="text/html" href="http://ki4.wib01.com/?eid=906437" /><id>http://ki4.wib01.com/?eid=906437</id><issued>2009-10-17T01:34:16+09:00</issued><modified>2009-10-21T09:57:47Z</modified><created>2009-10-16T16:34:16Z</created><summary>　前記事に引き続き小説の項であります。前作の方が本腰を入れております。いや全ての作品に全力を込めていると、その上ででございますよ。

　　　T.K.G.+（莫）

　香奈子は目覚めてベッドから降り、腰に力が入らないことに気づいた。クリスマスイブのせいだとすぐ...</summary><author><name>キリハラ</name></author><dc:subject>どうかしてしまった小説</dc:subject><content mode="escaped" type="text/html" xml:lang="ja"><![CDATA[<img src="images/091017.jpg" width="123" height="175" alt="いしいしんじ" class="pict" align="left">　前記事に引き続き小説の項であります。前作の方が本腰を入れております。いや全ての作品に全力を込めていると、その上ででございますよ。<br />
<br />
　　　T.K.G.+（莫）<br />
<br />
　香奈子は目覚めてベッドから降り、腰に力が入らないことに気づいた。クリスマスイブのせいだとすぐに彼女は考えた。<br />
　春海はスリップにパンツを穿いただけのあられもない姿のまま窓の方を向いて寝息を立てている。カーテンの隙間から漏れる濁った朝日が顔に直撃しているにもかかわらず、起きる気配は全く見せない。香奈子のため息が寝室に広がる。<br />
「また朝ごはん当番私か」<br />
　目覚まし時計をかけた時刻まではまだしばらくの猶予があり、クリスマスの朝食を彩りあるものにする余地は残されていた。特に昨晩食べ散らかした鶏肉その他諸々を使えば、昼間は肉食動物の春海を満足させる献立が出来そうだった。彼女の様子を見れば火を使ったところで起きてこないのは明白である。<br />
　しかし、と香奈子は思う。抜けかけた腰で豪勢な朝食を拵えて春海に満足を与えた挙げ句、その後自分が会社でふらついた姿を見せる訳には行かない。ただでさえ男子社員の誘いを片っ端から断り続けて不愉快な噂を立てられる一歩手前なのである。それならばストレッチでもして三十に差し掛かろうという曲がった身体を整えた方が良い。<br />
「春海ぃ」<br />
　寝室を出る際の呼び掛けに春海が微塵も答える気配を見せなかったことで、彼女の意思は固まった。<br />
　だらしなく尻を掻きながらキッチンへと向かう。リビングには酒瓶が何本か置きっぱなしになっている。テーブルの上に二本、ウィスキーとラム。香奈子の提案したワイン説はあっけなく却下され、ローストチキン等に合わせられる酒は蒸留酒に決定され、最初はロックグラスで慎ましやかに飲んでいたのがやがて氷も入れなくなり、結局毎年のごとくラッパ飲みに落ち着いたのを思い出して無意識に表情が曇る。いつか酒瓶を一本残らず排除して自分の色に染めてやろう。<br />
　いや多分無理。<br />
　香奈子は即座に否定する。リビングにいる間、イニシアチブをとるのは常に春海なのである。<br />
　完全に溶け切った氷を一応冷凍庫に放り込み、冷蔵庫を開けると先ず飛び込んできたのは冬季限定缶ビールの山だった。白地に雪の結晶が舞う女性的なデザインはどうにも違和感を覚えてしまう、と考える。三十前後の女性がビールを飲む時、そこにスリムさや爽やかさを盛り込もうとするのは無駄な足掻きのように思えてならない。<br />
「どう？」<br />
　最早声の届かない同居人に向かって香奈子は問い掛けた。<br />
　使えそうな食材を適当に探して賞味期限を確認しながらキッチンスペースに並べて行くと、いつも通りの質素なグラデーションが描かれた。どこかのCMで朝は米だとか主張していたのを思い出し、香奈子は苦笑した。米は米でもそこに味噌汁や野菜のおひたしか焼き魚が付いてこなければ意味はない。だが、殺風景な2LDKのマンションに健全な食卓はどう考えても似合わず、せいぜい一汁一菜の一汁を除いた程度がふさわしく思われた。成る程自分達は求道者かもしれない。<br />
「まさか」<br />
　香奈子は冷凍庫から取り出した残りの米を電子レンジにかける。一度空気穴を開け忘れて爆破事故に繋がりかけたので注意しなければならない。合わせてさほど汚れていない卵を二つと、視界の端に入った賞味期限ギリギリのビタミン食を取り出した。<br />
　洗っておいた茶碗二膳に解凍した米を盛り付け、卵他と共にお盆に乗せた所で寝室からけたたましい目覚まし時計の音が鳴り響いた。それと共に悲鳴とも悪態ともつかない叫び声が二部屋を突っ切って届く。思ったよりも早く時間が過ぎていたことに香奈子は驚き、また余計な気を回さないで良かったと安堵した。<br />
　お盆をリビングに運び込むに合わせ、アザラシのぬいぐるみを脇に抱えつつ空いた手で頭を掻き毟る春海が現れた。明らかに睡眠を妨害されたという表情をしており、髪型と服装さえ整えておけばやり手のキャリアウーマンといった風情の彼女も下着姿で髪を乱した状態ではなかなかよろしくは見えない。<br />
「うるっさいなあの時計。買い換えない？」<br />
　香奈子はくすりと笑った。<br />
「あなたが買ったんじゃない。起きられないって」<br />
「香奈子が起こしてくれればいいんだよ」<br />
「私は起こす人生に疲れたの」<br />
「せつねー。せつねーよ。愛がねーよ。私の悲しみを分かってくれるのはくろたんだけなのね」そう言って、黒いアザラシを悲劇のヒロインよろしく両腕に抱きしめる。<br />
　その様子を眺めつつ、春海の分まで卵を割って他の食材と混ぜ合わせてやる香奈子。箸はやや色褪せ、使い方の粗い春海の先は皮が剥がれかけている。茶碗に入ったひびも彼女が洗い物の最中シンクに落として作ったものだ。香奈子は、そういった事柄を気にせず、また同じような失敗を自分がした時に責めたりしない春海を愛する。出来る限り共に居たいと切に願う。昼も、夜も。<br />
「なあんかクリスマスだっつのに質素な朝ごはんだねえ」<br />
「昨日の夜が重かったんだから、このくらいがいいのよ」<br />
「重かった？　何が？　私？」<br />
「食事よ。あなた、私の上に乗らなかったじゃない」<br />
　途端に晴海の顔が赤くなり、ぬいぐるみを香奈子に向かって投げつける振りをする。<br />
「けっ、いつものことじゃん！」<br />
「そうね。寝室を出るとこんなに強気なのに、電気を消したらあれだもの」<br />
「私はネコだからいいんだよ」春海は一旦言葉を切る。「意地悪だな」<br />
　香奈子は指に付いた卵白と卵黄の混ぜ物を舌で掬い取り、箸を置いた。<br />
「食べましょ。こんな格好でなんだけど」<br />
「別にいいよ。私、あんたのつるぺたな下着姿とか好きだし」<br />
「そんなこと……」香奈子の言葉は続かなかった。その後数秒続いた沈黙には多くの感情が込められ、消え、最後に小さなため息へと変わった。<br />
「食べよ」<br />
　香奈子は頷き、箸を動かした。静かに卵かけご飯を掬う彼女とは対照的に、春海の食べっぷりは良く言えば勢いがある。最初からかき込むように音を立ててすする姿は会社でも健在だという。<br />
「まあ、あれだよね」箸を止めて春海が言う。「クリスマスイブはやりまくるに限るよね」<br />
「お蔭様で私の腰は崩壊寸前だけど」<br />
「壊れたら養ってあげるって。極貧生活になるけど」<br />
「今だってお金持ちじゃないわ」<br />
「だからやりまくるんじゃん」<br />
　香奈子は慎ましやかに笑った。冴えない生活と友人は言う。さっさとやめろとも忠告を受ける。しかし、それでもこの不健全な生活は楽しいと思う。「早く同姓結婚出来るようになればいいのに」独り言のように呟いた。<br />
「出来なくても一緒にいればいいんだって」春海は下品にご飯をすすりながら言う。そして、一瞬手を止める。「あっ」<br />
「どうかした？」<br />
「オクラ入れたろこれ」<br />
「うん」<br />
<br />
<br />
　第一稿手直し版です。殆ど直していない。不健全で生々しいレズカップルの朝を書きたかったのですがまだまだなようであります。]]></content></entry><entry><title>ジェットラグ</title><link rel="alternate" type="text/html" href="http://ki4.wib01.com/?eid=906015" /><id>http://ki4.wib01.com/?eid=906015</id><issued>2009-10-14T23:07:14+09:00</issued><modified>2009-10-29T12:38:44Z</modified><created>2009-10-14T14:07:14Z</created><summary>　実に久々の投稿であります。休まない休まないと半年以上前の記事に書いておきながらわたくしは何をしていたのか。それはもう『記２』に度々書いた通りお酒、特にウィスキーを毎日飲んでおりました。特に昨今、連れの家と自室に一本ずつフルボトルを置いてしまったため酒...</summary><author><name>キリハラ</name></author><dc:subject>どうかしてしまった小説</dc:subject><content mode="escaped" type="text/html" xml:lang="ja"><![CDATA[<img src="images/091014.jpg" width="120" height="175" alt="内田樹" class="pict" align="right">　実に久々の投稿であります。休まない休まないと半年以上前の記事に書いておきながらわたくしは何をしていたのか。それはもう『記２』に度々書いた通りお酒、特にウィスキーを毎日飲んでおりました。特に昨今、連れの家と自室に一本ずつフルボトルを置いてしまったため酒量は徐々に増えつつあります。ビールも飲みます。缶入りでは限定発売の琥珀エビスが恵比寿ビアステーションに行くと巨大なジョッキでがばがば飲めるのでシュタインヘーガーとかいう甘いジンと共にゲラゲラゲラゲラ笑いながら酒浸りの日々へ没入して行ったのがここ半年なのであります。いやはや申し訳ない。しかしながらそんな中でも多くの人と出会い、飲み、語り、嫌われ、時折好かれ、吐き、前後不覚になり、金を浪費し、後半は悪い事しか書いておりませんが良き事悪しき事様々に重ね酒飲みのスナフキンを目指す身としては一歩前進と言ったところです。<br />
　しかし金がなくなったのでどんどん稼がねばなりません。友人はRPG（六本木）のキャバクラで散々散財をして貯金残高をゲラゲラゲラゲラ取り潰しましたがわたくしはそれを酒と出会いのみにて行っている次第であります。世間様に申し訳が立ちませんな。<br />
　で、酒と自分のあるかなきか分からぬ才能に酔いつつ少し長めの小説を書き上げました。掌編はいくつも書いていたのですが、二十枚を超えるものは『花が咲いた日』以来です。全く慣れぬ方面に挑戦し、連れにも「君はもっと固いものを書いた方が合っている気がする」と指摘されながらも何とか完成にこぎつけました。<br />
　テーマはテーマがないことです。何も考えずに楽しめる作品を目指しました。ただ今絶賛袋叩き中でございます。みんなすまねえ。俺はやり切れなかったようだぜ。<br />
　ともあれ、書いたのでお時間があれば読んでやってくださいまし。そんでもって感想など万が一持たれましたらご一報頂ければ幸いです。<br />
<br />
　以下、本文。原稿用紙二十五枚程です。]]></content></entry><entry><title>露天風呂爆破殺人事件</title><link rel="alternate" type="text/html" href="http://ki4.wib01.com/?eid=836185" /><id>http://ki4.wib01.com/?eid=836185</id><issued>2009-04-10T21:56:02+09:00</issued><modified>2009-04-10T12:56:03Z</modified><created>2009-04-10T12:56:02Z</created><summary>　今回は連絡事項のみにて失礼します。こういうのって初めてじゃなかったかしら。
　ここしばらくは投稿用の小説執筆にかかり切りで、記２はおろかウェブ拍手の返信等にも全く手をつけていませんでした。それが先ほどやっとこ全部終わり、作品のPDF、html化も済んで人様...</summary><author><name>キリハラ</name></author><dc:subject>秒殺孤児の家</dc:subject><content mode="escaped" type="text/html" xml:lang="ja"><![CDATA[　今回は連絡事項のみにて失礼します。こういうのって初めてじゃなかったかしら。<br />
　ここしばらくは投稿用の小説執筆にかかり切りで、記２はおろかウェブ拍手の返信等にも全く手をつけていませんでした。それが先ほどやっとこ全部終わり、作品のPDF、html化も済んで人様にこっそりお見せ出来る形となりました。<br />
　応募作品ですので表沙汰には出来ませんが、知人友人にはURLをごっそり送りつけて読んで頂きたいと思っています。また、ここのコメントにでも書いて頂ければ裏でURLをお教えします。<br />
　だからよ、読んでくれ。そして何らかの形で簡単な感想でもこれにコメントしてくれよ。<br />
　疲れたので漫画でも読んで、明日は池袋までダーツに行って、明後日は祖母の法事で休む間もなく月曜日を迎えたと思ったら東京大学の入学式だそうです。武道館を借り切って行うなんてまあなんてご大層なこと。私の大学は規模が小さかったこともあり、新入生のみ大講堂に放り込んで式を執り行い、父兄は大教室に案内されてその様子をリアルタイム中継で見たそうです。当然キリハラの父母は来ませんでした。<br />
　何はともあれ、次に取りかかるまで、少し休みたいと思います。休むと休みっぱなしになるから、もう休まないんだけどさ。]]></content></entry><entry><title>ホロコースト弾</title><link rel="alternate" type="text/html" href="http://ki4.wib01.com/?eid=828657" /><id>http://ki4.wib01.com/?eid=828657</id><issued>2009-03-30T03:31:34+09:00</issued><modified>2009-03-30T02:18:19Z</modified><created>2009-03-29T18:31:34Z</created><summary>　久しぶりにウェブログを書く。
　この二十日間ほど更新が止まっていたのに理由がない訳ではなく、それも結構シリアスなものではあるのだがそんなことは読者諸賢と関係ないことであるし愚痴やら泣き言をつらつら書かれても読むに耐えないこと必至であるからその辺りにつ...</summary><author><name>キリハラ</name></author><dc:subject>悪魔超人の食卓</dc:subject><content mode="escaped" type="text/html" xml:lang="ja"><![CDATA[<img src="images/090307.jpg" width="175" height="158" alt="Kangding Ray" class="pict" align="left">　久しぶりにウェブログを書く。<br />
　この二十日間ほど更新が止まっていたのに理由がない訳ではなく、それも結構シリアスなものではあるのだがそんなことは読者諸賢と関係ないことであるし愚痴やら泣き言をつらつら書かれても読むに耐えないこと必至であるからその辺りについては割愛、解決しましたよとだけ報告するに留める。潔いキリハラを尊敬して頂きたい。というか理由があろうとなかろうと記４は不定期休である。<br />
　シリアスな問題と言えば、年末年始も色々とキリハラの周辺に不具合が起きており、元旦は一睡も出来ないまま史上最悪の夜明けを迎え、一月中はいつにも増して寝る時間が増え何もする気が起こらず、二月はと言えば、多分前の前の記事辺りに書いてあると思うので適当に参照していただきたい。どうせろくでもない状況であったのだろうよ。以上、昨年末に『サムフェアエルスビフォア』を書き上げてから後、キリハラは身に覚えのない災厄と戦っているか寝ているか泣いているかのどれかだった。情けないと言えばそうだし、人間そう強くはいられないと慰められればそれはそれで筋が通らないでもない。ともあれ文章からは遠ざかって毎日シロタン（アザラシのキャラクター）の毛布にくるまってオービタルやらアルバムリーフを二十四インチiMac様から垂れ流しにしたり内田樹師の著書を少し読んでは頓挫したり漫画を読んではがっかりしたりと、この数ヶ月は既に漆黒の歴史と化している。しかも文章を表立って書かなかったおかげでたった今も何やらキーボードの乗りが悪く、もっとはっきり言えば自分でも何を書いているのか全然分からない上に分からなさを許容出来ていない。そんなのはいつものことと仰る御仁もいらっしゃろうが、書き手側としてはこれまたシリアスな問題の一つなのである。だってつまんないんだもん。<br />
　書いていてスリリングでも楽しくもなく、ただ文字を連ねて行く作業をやるだけなら機械に任せても全く問題はない。適切な単語と文法を教えてやれば、ハイテクニカルウェブ二.〇時代、ウィンドウズやリナックスは知らないがマックOSならウェブログの一つや二つ簡単に出力してくれる、きっと。問題なのはそれにキリハラのマーキングが為されていないことである。今週の漫画ゴラクに掲載されている『天牌』の例を借りるなら、無味無臭の文章とでも表現するのがよろしいか。沖本瞬はそう罵倒されても自分の麻雀を貫こうとしている模様だがキリハラは罵倒されるまでもなく嫌なのである。<br />
　話がぐちゃぐちゃになったので整理する。久々のウェブログで筆が進まない。その状態で書いているのはあまり面白くない。そうすると機械でも書ける文章が仕上がる。結論としては、おそらく読者諸兄も読んでいて面白くない。アクセスが減る。廃墟と化す。スパムトラックバックが山ほど飛んで来る。サーバが落ちる。ロリポップ！から賠償請求される。自己破産する。ホームレスになる。三日で凍死する。<br />
　だからキリハラはスリリングで楽しい文章執筆を手に入れなければならないのである。<br />
　それはそれとして、文章を書かれたり映像を手がけられたりと、創作関係の方々が集まる花見オフに参加して来た。本日はそれを書こうと夜更かししているのに枕が長くなりましたごめんなさい。<br />
　とは言え今更それについて仔細なレポートをお届けする気力は残っていないので簡単にまとめると、お酒のある席に潜り込ませて頂いたご多分に漏れず、酔っぱらって適当な世迷いごとを吐いて迷子になって念のため用意しておいた文章のサンプルを人様に押し付けがましい笑顔で手渡しついでに未成年と間違われた。髪を短く切ったからと言い訳してみたら一笑に付された。それでもって家に帰ってまたぞろ「『お酒飲んで平気？』って訊かれたよ」てなことを母親に言ってみたら、よしながふみの『きのう何食べた？』か何かに出て来る四十歳だけれども若く見られる弁護士の話をされ、最後に「キモッ！」と締められた。<br />
　俺も気持ち悪いと思う。<br />
　いい加減アルコールが重くてクワシオルコオル状態（クワシオルコオルというのは精神病の名前だそうです。どんな症状かは存じません。他にもシュトリンペル・ウェストファール病とか、意味不明な病名は勘弁して頂きたいものですね。格好良いけど。精神分裂病も統合失調症なんて中途半端な呼び方はせず、ギガンティック自意識過剰性マインドセパレート症候群とかに変えればいい）であります。おそらく原因はウィスキーと無糖日本酒のチャンポンにあると思われる。前者は良いとして、無糖の日本酒とは如何なる物なのか未だによく分からない。純米酒でない日本酒は糖類などを入れて味を整える。これは分かる。ではそこから糖分を抜いたら純米酒もどきになるのではないか？糖分以外の何者かが介在していれば良いのか？それとは別に、純米酒に近付くことで高級になるのか？もしくは高級感とは関係ない付加価値がつくのか？原料を抜いたから価値が下がるのか？高いの？安いの？全てが不明のままに宴は終了し、キリハラが四苦八苦して作った名刺は役立たずの代物と化したのである。唐突に出て来た名刺の話について明日以降書く。<br />
　以前、天才宇木敦哉氏が「お酒飲んだ後と運動した後は絶対絵描けない。眠い時とお腹空いてる時も描けない」と宣っていた。キリハラは眠い時以外は大体文章を書けるものの、宇木氏の提示した条件に当てはまるとほぼ確実に面白い文章は書けない。これはつまりどういうことか。健全な肉体にこそ不健全な精神は宿ると解釈してよろしいのか。宇木氏は同発言の後、「これはつまり」と言いかけて言葉に窮している。<br />
　この謎を解くべく机にモルトウィスキーのボトルでも置いてやろうかと思った時期もあったけれど、そうしたら文章を書かないで飲んだくれるのが目に見えているため計画は見事白紙に戻され候。キリハラは一生薬の福太郎で安売りしているビタミンウォーターとダカラを飲んで暮らすことにする。<br />
　ではまた次回。<br />
　創作花見の話？書かねえって言ってんだろう。]]></content></entry><entry><title>重要なお知らせ</title><link rel="alternate" type="text/html" href="http://ki4.wib01.com/?eid=822966" /><id>http://ki4.wib01.com/?eid=822966</id><issued>2009-03-06T23:58:04+09:00</issued><modified>2009-03-06T14:46:15Z</modified><created>2009-03-06T14:58:04Z</created><summary>　この拙劣なるウェブログ『記４』（五万回ほど書いておりますが、読み方は「きふぉー」です。「きよん」でも「きし」でもありません。そうだ、貴様に言っているのだ）を辛抱強く読み続けて下さっている読者の方々、今までのご愛顧に感謝すると共に、愚かな暴言の数々をお...</summary><author><name>キリハラ</name></author><dc:subject>ふゆきょう対奴等</dc:subject><content mode="escaped" type="text/html" xml:lang="ja"><![CDATA[<img src="images/090203.jpg" width="120" height="175" alt="小田嶋隆" class="pict" align="left">　この拙劣なるウェブログ『記４』（五万回ほど書いておりますが、読み方は「きふぉー」です。「きよん」でも「きし」でもありません。そうだ、貴様に言っているのだ）を辛抱強く読み続けて下さっている読者の方々、今までのご愛顧に感謝すると共に、愚かな暴言の数々をお詫び申し上げます。<br />
　ところでキリハラの実家である喫茶店の地下で耐用年数超過だか地盤が狂ったかなんだかよく分からないガス漏れが起こり、工事のため二日間店をお休みすることになりましたところ、両親は業者への手配を済ませ店を閉め、人足達の到着を確認すると早速外食に行ったそうで、キリハラが疲れて帰宅するや否や酒の匂いを漂わせてふらふらと寝たりネット麻雀に興じたりしており、何事かと問えば上述の通り、そして外食したら酒を飲むのは当然と胸を張って酔っぱらわれたものでありますから、土日になるとHUBなどに赴いて昼間からエールやらウィスキィを飲んでは友人知人に不健全な乙女と目を細められるキリハラは何も悪くなく、単に両親の血が濃厚に全身を駆け巡っておるだけなのだと確信し、何回目か思い出したくもない十八才の誕生日を迎えた先日、友人からお祝いメッセージに「酒や煙草はやめて健康に気を配りましょう」と書かれていたこともあってやや自分の人生を反省していた部分もあったところをもう一度考え直し、まあ酒で死ぬなら本望よと腹を決めた次第であります。悪癖性悪親のせい。<br />
　問題の工事については、予定内のものについては初日で全て終わったのですが、最後の点検をしている時に別のガス漏れが見つかってしまい、予想外に早く終わる予定が結局二日間の工程、休日も伸びて父ちゃん大喜びで遊びに出かけ、母ちゃんは高い刺身定食生牡蠣付きとビールを喰らって二日連続酔っぱらいと化しておりました。そして店のガスが使えず料理が出来ないため夕食も勿論外食となりまして、親子三人揃って酔っぱらい二連荘という体たらくでございました。<br />
　点検時に見つかったガス漏れについて、少し。何でも飲食業のキッチンではちょっとしたガス漏れがそこここで発生しているらしく、漏れたままでも特に問題はないそうです。しかしながら彼らもプロの業者な訳で、異常を検知してしまったからには直さなければならない。なかったことには出来ません、と。そういう訳で、予定内の工事の二倍近い時間をかけてちょろちょろガス漏れを補修して帰って行きました。仕方のないことであります。工程を終えて最後の点検で異常が見つかることは特に珍しくもない。人間は必ずいつかミスをしますし、物はどこかで異常を発したり壊れたりします。それらにいちいち目くじらを立てるのはあまり精神衛生上よろしくありません。まあしょうがねえやと酒でも飲みながらやっつけるのがプロッてもンじゃアありませンかね。酒は駄目ですかしら。<br />
　酒と言えば、キリハラは二つの職場を経験しているのですが、最初の職場はアルコールの入った状態での作業は禁止されており、そのくせキャビネットには会計事務所から贈られた日本酒が常に鎮座しており、地下食堂で宴会をした後も皆平気で決算などしておりました。また、お菓子などの小物を除いて席での食事は禁止だったため、キリハラもおにぎりを食べながらエレクトロバンキングをかまして上司から引っ叩かれたりしたものです。思えば最初の職場は寝ていて引っ叩かれるか遅刻して引っ叩かれるかお喋りが過ぎて引っ叩かれるかの三択で成り立っておりました。仕事はA型、他はB型としょっちゅう言われたものです。<br />
　で、現職場はアルコールが入っていようと平気で仕事をする豪気な社内規定があるのかないのか調べたことがないから知らん、とにかく酒を飲んでからデスクに戻って仕事に復帰することなど日常茶飯事でした。食事についても同様。前職よりも小さい机にノートパソコンと書類が散乱する混沌に満ちた（企業としてはそれが普通）プライヴェートスペースで悪の先輩はカップヌードルをすすりますし、隊長はおにぎりを食べながら得意のスパイダーソリティアに興じる昼休み、キリハラはOL（Ocha Lady）のごとくに簡単な食事を済ませると談話室の端に逃げさって他人を遠ざけながら文庫本を読むのが日課であります。今では誰もキリハラの読んでいる本を知らないので（以前、新人に「誰っすか」と訊かれて「ガルシア＝マルケス」と答えたら知らなかった。てめえ文学部出てんだろコラ）話しかけるのを諦めてくれて、静かに読書をしたり寝たり音楽を聴いたりする日々です。音楽についても誰も知らないようで、最近聴いているノイズミュージックを女性に聞かせたら呆然としていらっしゃいました。あれは本当に申し訳ないことをした。せめて可愛げのあるエレクトロニカでも聞かせて差し上げるべきだったのが、多分蟲の居所が悪かったのでしょう。<br />
　知らないと言えば、前職で同期だった女の子は、村上春樹を知りませんでした。何かの手作業を皆でしている時に何気なく「どんな本読むの？村上春樹とかは？」てな訊き方をしたらば「誰ですかそれ」との捗々しくない返事を頂きまして、「多分日本で一番すごい作家だぞおい。知らねえのか。有名だろ。『ノルウェイの森』とかさ」「私が知らないんだから無名ですよ」「てめェ地球の中心にでもなったつもりかてやンでェー！」「地球は私の友達よ！貴方の二酸化炭素で穢したら承知しないから！」などと大げんかになりました。よりによって地球様が友達では村上春樹も太刀打ち出来なさそうでしたため引き下がりましたが、恐ろしい女であったと思い出しても鳥肌が立ちます。<br />
　村上春樹は何だかんだでエルサレムに行きましたね。スピーチでは「私がここに来たのは、多くの作家がそうであるように、たくさんの反対を受けたからです」といった台詞を言ってのけたそうで、胸のすく思いで一杯です。だってよ、関係ないだろ、文学賞と戦争は。]]></content></entry><entry><title>ちゃんと言ってそこに書け</title><link rel="alternate" type="text/html" href="http://ki4.wib01.com/?eid=822808" /><id>http://ki4.wib01.com/?eid=822808</id><issued>2009-02-03T01:51:36+09:00</issued><modified>2009-02-02T16:39:31Z</modified><created>2009-02-02T16:51:36Z</created><summary>　鼻の頭に吹き出物が出来て、相当広い範囲が真っ赤に染まってしまったせいで、父親から「何だそれ。俺を笑わせるためにやってんの。ハハハッ」などと笑われており非常に不愉快、一回休み。
　一回休みは本当で、『月曜日は最悪とみんな言うけれど』とレイモンド・カーヴ...</summary><author><name>キリハラ</name></author><dc:subject>バーンアウト</dc:subject><content mode="escaped" type="text/html" xml:lang="ja"><![CDATA[<img src="images/090202.jpg" width="175" height="175" alt="電卓" class="pict" align="left">　鼻の頭に吹き出物が出来て、相当広い範囲が真っ赤に染まってしまったせいで、父親から「何だそれ。俺を笑わせるためにやってんの。ハハハッ」などと笑われており非常に不愉快、一回休み。<br />
　一回休みは本当で、『月曜日は最悪とみんな言うけれど』とレイモンド・カーヴァーは書いていたけれど実際最悪なのに加えて病気の発作が出たから仕方なく朝一で「今日は会社行けません！」と隊長に直談判したらば「それだけ元気なのにか」と問い返され、「行かない元気はあるンでえーッ！」叫んで切って折り返しの電話を無視して午後三時になってようやく発作が収まって来たので謝罪の電話を入れたら生憎九州の子会社のいつも席にいない現場主義と言えば聞こえがよろしい課長と電話中だったため悪の先輩が代わりに出て間を取り持ってくれたので何とか一件落着したとか書くと本当にキリハラが隊長相手に切れたり人を笑わせるために吹き出物（ニキビだっつってんだろ）を拵えたりしているように思う読者の方がいらっしゃるような気がして怖い。<br />
　というのも、転職活動期に一旦書類選考でキリハラを落とした田町の端っこにある馬鹿な電子部品会社が見事求人に失敗して、無愛想なお断りのメールから一転、携帯電話に若くて気弱そうな女性が着信をよこし、虫のいい話とは思いますが一度面接に来て頂けませんでしょうかとか何とか抜かした際、「はあ、ほんと虫いいっすね」と答えたンだよってな話を大学の友人に酒の席で冗談めかして話したら、「お前、もっとね、普通の社会人としてね」みたいな苦笑混じりの返答をされたことがあり、勿論キリハラは上記のような返しをするほど社会的に無防備ではないのだが、周囲からはプライベートの態度が悪いせいで社会でもアウトサイダーをやっていると思われている節があるのか、バイト、就職、社会生活、人生等々について色々心配されることがある。ウェブログでは威勢のいいことを書いているキリハラもさすがに無礼な輩以外には非礼を働くことはせず、喩え無礼であっても出来る限りの礼は尽くすことを一応末端の社会人として心がけているつもりだが昨年末は出張関係で人事と揉めて、わずか二千円あまりの出張旅費を巡って人事部長と大げんかをやらかしてしまったことを考えればやはり友人に心配をかける類の人間なのかもしれない。旅費はきっちり振込でいただいた。振込手数料は！会社持ちで！お願いします！<br />
　ところで明後日はキュートでクレバーでシャープで多少エキセントリックで、キリハラが愛して止まない友人とお茶会をすることになっている。なのにこのタイミングで鼻の頭がクリスマスのトナカイを彷彿とさせる状況なため今から大手百貨店の化粧品コーナーに出かけてコンシーラーを買って来るべきか非常に悩むところ、最悪絆創膏でも貼って行こうか悩みどころなのである。これが大嫌いな友人だったら適当にパーカーでも羽織ってだらしない格好で行けば良いのだけれどもね、大好きな相手だとこちらも多少格好をつけておきたいのです。何しろ、一の位を弾けばまだ二十歳の若人なものだから。<br />
　以上、心が折れた。この先同じように書くと病気の告白だのなんだのになってしまいそうであるゆえ、以下は真名四拾八手に費やすこととする。しばらくはその形をとった方がバランス良く記事を編み上げることができるかもしれない。<br />
<br />
　エアドロップ（駈）<br />
<br />
　空を翔る病気がアウトブレイクしたのはマスメディアのせいだったと思う。空気感染するこの病気は人の細胞の中にヘリウムガスの泡を発生させ、同時に抗体も生成することで拒否反応を防ぐ二段構えの立派なものだった。病気に抗体が内蔵されているせいで罹患した人間は空を飛ぶ他に何ともしようがなく、医者はお手上げ、高圧電線には保護シートがかけられ人は空に道を造ることとなった。<br />
　メディアは、特にテレビはやがて病気をポジティブに評価し始めた。人は機械の力を借りずともウイルスによる進化で空を手中に収めたと。うんざり顔の医大教授も少数いたが大半は病気を人類への福音ととった。<br />
　中には病気に罹患しない者もいた。その原因は今でも特定されていない。僕もその一人で、クラスの三十九人が窓から教室に入る中、ヘリウムのない身体を引きずって階段を上り続け、皆の哀れみを買った。<br />
　患者達は理解していなかった。人間は空を飛ばない。それを忘れないことが病気の被害を受けず、罹患もしない唯一の方法だったことを知らなかった。知ろうとしなかったと表現するべきかもしれない。閉鎖の螺旋に入った世界で、新たな力を得たという見方はあまりにも魅力的過ぎたし、それを止めるよう説得する権利は、ある意味誰も持っていなかった。<br />
　病気はやがて治る。このポジティブな言論も敢えて無視された。誰もが不治の病を欲していたのだ。<br />
　そうして空を飛ぶのが常識となった頃、ヘリウムの泡は一斉に弾け、翼を持たない人間は再び地に落ちて花を咲かせた。<br />
　エアドロップと名付けられたあの病気は、人類を選別するために何者かが用意した罠だと一転糾弾され、今では定説として揺るぎない地位を確保している。<br />
　けれど、誰も、自らの身一つで空を飛ぼうとした無責任さには触れていない。仮にこの状況をしかけたのが神や科学者だとしても、胴の下に二本の足がついている限り、高へ上るには歩みを重ねるのが当然の結論と言えるのではないか。皆もっと責任を感じるべきではないのだろうか。<br />
　などとしたり顔で話すプラグマティストも大嫌いな僕には友達が一人もいない。]]></content></entry><entry><title>てめえの結婚式はパスだ</title><link rel="alternate" type="text/html" href="http://ki4.wib01.com/?eid=822281" /><id>http://ki4.wib01.com/?eid=822281</id><issued>2009-02-02T02:44:12+09:00</issued><modified>2009-02-01T17:32:08Z</modified><created>2009-02-01T17:44:12Z</created><summary>　以前書いたかどうかすっかり忘れてしまって幾星霜、ウェブログもいい加減間が空いて廃墟と化しているのでもう二度書きなどあっても気にせず記事を編んで行くことにする。
　キリハラは周期的に睡眠障害に陥るため睡眠導入剤を常備しているのだが、どうやら種々の薬に身...</summary><author><name>キリハラ</name></author><dc:subject>隣の真面目さん</dc:subject><content mode="escaped" type="text/html" xml:lang="ja"><![CDATA[<img src="images/090130.jpg" width="175" height="175" alt="メビウス、ノイマイヤー" class="pict" align="left">　以前書いたかどうかすっかり忘れてしまって幾星霜、ウェブログもいい加減間が空いて廃墟と化しているのでもう二度書きなどあっても気にせず記事を編んで行くことにする。<br />
　キリハラは周期的に睡眠障害に陥るため睡眠導入剤を常備しているのだが、どうやら種々の薬に身体が慣れる傾向があるらしく、一つまた一つと薬が効かなくなり、その度に眠れなくなる症状が何度となく繰り返されて来た。睡眠導入剤というのはほとんどのものがベンゾジアゼピンという物質を基本に作られているためいくつか効かなければもう他の何を飲んでも駄目、胃を悪くするだけで何一つ良いことがない。そのため医師と相談の上、精神安定剤の中でも眠気の強くなるものを処方してもらったりと工夫はしてみたものの、結局慣れてしまい、それどころか眠くなることに対して身体が言うことを聞かなくなって来たので、最終手段として、現在罹患しているのとは別の病気に使う薬の鎮静成分を睡眠薬に転用することとなった。<br />
　当然のことながら本来の服用法とは異なっているため弊害もあり、キリハラの病気にとって良からぬ効果もあるし、また効果時間が最長二十四時間程度と長く続く（関係ないけど、今飲んでいる薬には百二十時間も効果があるものも混ざっているの。すごいわね）おかげで日常生活に支障をきたすこともある。<br />
　要するに始終眠いのである。<br />
　前の記事でも書いた、暇な時間をひたすら寝て過ごしている背景にはその薬の影響も多分にある。身体が慣れてしまわないよう、また効き過ぎないよう薬を半分に割って飲んではいるのだが、それでもふらつきや眠気等々の副作用は発言する訳で、何をしていても眠い、何もしていなければ更に眠いと、ほとんどボケ老人状態で毎日を過ごしている。ふらつきも結構あって、何でもない所でバランスを崩したり膝が抜けることもしばしば。こんなことをわざわざウェブログに書いているのは痛々しいことと分かってはおれど、他に書くこともないもんですから。皆様も睡眠薬などの基礎知識を得られていいんじゃないですか？そうでもないですか？そうでもないな。<br />
　睡眠障害は五年ほど前からあって、最初、医者にかかる前は仕事先の医務室で軽い精神安定剤と総合感冒薬を山ほどいただき、それを寝る前に死ぬほど飲んで無理矢理眠気を作り出していた。もちろん死ぬほどといっても自殺行為めいた飲み方ではなく、通常量の二、三倍程度なのでご安心されたし。それに、時折耳にする、睡眠薬をたくさん飲んで自殺なんてお気楽な話は実際には存在せず、少なくとも現在の薬は何百錠飲んでも死ぬか死なないか分からないくらい安全性が高い。ハルシオン自殺とか安らかな永眠とか、そんなものは幻想であって実際にはただ深く眠れるだけ、安楽死したければそれなりの装置か大量のモルヒネでも用意するのがよろしかろう。それか、劇画『サハラ』の女装兵士ストロボのように、もう助からない傷を受け、女隊長の「男に戻るのよ、ストロボ」という命令の元、最後のセックスをして絶頂に達しながら死ぬ、所謂腹上死も悪くない。しかし、後者のためには先ず致命傷が必要なのであり、それを受けた時点で安らかな死も何もあったものではないのでやっぱり大往生以外で安らかに死ぬなら、アメリカ式薬品死刑が良いと思う。<br />
　ところで、半錠でも十分な効果を発揮してくれている某薬品の副作用には上に上げたものの他に「悪夢を見る」という笑えない冗談のようなものがあって、実はこれが最も頻繁に現れるのでキリハラ非常に困っている。悪夢と聞いて読者諸兄は何を想像されるだろうか。死ぬ？殺される？殺す？落ちる？虫？虐め？よく分かっているじゃないか。それら全部だよ。<br />
　一番多い悪夢は銃で撃ち殺されるもので、これはもう慣れた。銃が出て来た時点で夢と分かり、痛みも一瞬で済むためあまり恐怖はなく、むしろ「早く撃てよ。撃てコラ。撃たんかいコラ！」とすごんで見せたりする余裕も出来て来た。夢のなかで粋がっても仕方ないのだけど。次に、殺す夢。これは加減が難しい。何しろ人を殺すのは気分の悪いことだし、殺されるのと違ってどれだけ殺せば夢から醒めるのかよく分からない。仕方なく棒っ切れの先に包丁を付けた即席バルディッシュ、薙刀、ハンマーなどで罪なき人々を殺して回り、早く起きたいと願い続けている。落ちるのは殺されるのと同じで、こちらは落ち切る前に目が覚めることも多いからとても楽というか悪夢に入らない。では何が嫌かというと、虫と虐めである。特に、両者の複合は最悪の部類に入る。<br />
　この間、こんな夢を見た。舞台はテキサスかオレゴン辺りの田舎だろうか、荒野の中にある寂れた町で、名物は礼砲。そこにある唯一の学校はホモの生徒に仕切られており、新入生は必ず彼の洗礼を受けなければならない。洗礼と言っても掘った掘られたの話ではなく単にディープキスをされるだけなのだが子供には少々きついものがあって、これを拒否する生徒もいる。すると彼らの机には毎朝スープの入った西瓜の皮の器が置かれることとなる。<br />
　スープはベージュ色をしている。西瓜は一玉を半分に切って中身を綺麗にくり抜いたもの。そこに差し込まれた杓子を、虐められっ子はひたすらかき回さなければならない。そうしているうちにスープの中から異物の手応えが感じられるようになり、やがて直径二十センチはあろうかという虫のさなぎが二つ浮いてくる。その形が整うと、彼らは授業をサボタージュして町外れの爺さんの元へ向かう。教室を出る瞬間、嘲笑が浴びせかけられる。<br />
　爺さんは錆びたドラム缶をかき回し続けている。中はやはりベージュ色のスープに満たされ、不穏な臭いをまき散らす。そこへ虐められっ子がやって来ると、爺さんはまたかという表情になってドラム缶を覗き込み、無言のまま彼らに西瓜の中身を入れるよう促す。彼らがさなぎごとスープを入れると、大きな泡がいくつか弾ける。<br />
「お前ら、町を出ろ」爺さんは言う。「無理だよ」彼らとキリハラは返す。「こんな所、子供の住める土地じゃない。都会に出ろ」「爺さんは出ないの？」「儂は仕事がある」「それじゃ、僕達にも仕事があるんだよ」爺さんの顔が悲しげに歪む。「儂も昔、同じことを言った」<br />
　そこでキリハラの意識は空に舞い上がる。爺さんと子供達のいる場所から、荒野に向かってドラム缶が並んでいる。それが点になって見えなくなる場所から礼砲が響き、キリハラは目を覚ます。<br />
　田舎の閉鎖性と無意味な循環はどこかで書かなければならないと思う。そのために、虫と虐めの虐めの悪夢はもう一度見なければならない。]]></content></entry></feed>