記4

ここは、わたくし(名)キリハラが新ふゆきょうの宣伝をしたり挫折したり
呪いの言葉をぶちまけたり誰彼かまわず攻撃したり
あなたと仲良くなったりするウェブログです。嘘ばかり吐いてゐる。ホ、ホ、ホ。
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ウェルディット!
十六夜咲夜 以前、テキスポといういい加減な文章サイトで書き出し縛り、一時間で書くという企画に参加した作品を、ブラッシュアップも兼ねて千文字にリライトしました。さすがに一時間では粗が粗があらあらといった様相で、新ふゆきょうに「一時間縛りだから勘弁してね」とのメッセージを添えて掲載してはいるものの、読み返すと人様にお見せするのが恥ずかしい出来でした。千字ちょいなのに脱字もありました。もう死んでしまいたい。
 しかし死ぬわけにも参りませんので他サイト投稿用に書き換えてみたと、こういった次第であります。
 さて、明後日十八時締切の四千字小説、「覚」をテーマとした作品が未だもって一文字も書けておりません。どうしたものでしょうか。どうしようもねえか。どうしようもなかろうが締切に間に合わせて尚且つそれなりのクオリティを保つのが文章を書く人間の使命であります。そんで今、連れに「私が今まで締切を破ったことがあって?」と訊いたら爆笑されました。どうやらキリハラ、使命を果たせていない模様。
 今回はそのような事態が起こらないよう明日一日で一気に仕上げて締切日は手直し程度で済む形にしたいと思います。
 以下、手直し小説本文です。一つ前の記事に書いた朗読公演も宜しくお願い致します。


 ウェルディット!(蘇)

 僕のマーチにはドアが一枚ない。
 一応助手席脇を塞ぐジュラルミン板とガラスはある。問題はその四囲が車体とアーク溶接してあること。ドアが壁の軽自動車。歩道から視線を感じることもある。
 車がこうなった理由は簡単、僕の可愛い彼女、真冬が足癖の悪い子なのと何故か溶接に必要な機材を持っていたから。気が短い事も関係している。脚力が強いのも。
 ドア溶接事件の経緯は、半年前に高速道路でたまたま窓を開けていたら、隣を通った半ヘルバイクが、あろうことか僕の助手席に火のついた煙草を放り捨てて来た。ただそれだけ。煙草は彼女お気に入りのチェックのスカートに落ちて、火が消えた代わりに焦げ跡を残した。
 次の瞬間、彼女は顔色一つ変えずに纏う空気だけ鬼神のそれと化して、スカートを翻えらせ僕の僕の僕のマーチのドアにサイドキックをお見舞いしていた。見事ジョイントと鍵を弾いて青空の下へ身を躍らせ、半ヘルをバイクごと一車線吹き飛ばして中央分離帯に叩き付けた可哀想なドア。速度を出していなかったからまだ良かったものの、クソガキもとい半ヘルは打撲や擦過傷を山ほど拵えて泣き喚く羽目になった。悲鳴を上げながら許しを請う二人組を彼女はその名前にふさわしい表情で冷然と見下ろし、静かに言い放った。
「財布」
 結局次のパーキングエリアで免許のコピーをとって脅した挙げ句半ヘルを解放した僕達は、五月晴れの陽気な世界の誘惑に負けてドアを後部座席に突っ込んだままドライブを続行し、何とか警察の目を避けて地元に帰り着いたのだった。
 で、翌日電話で呼び出され駐車場に行ったら彼女が既に溶接を始めていたと。
「綺麗にくっ付くよ、これ」ケラケラ。
 文句を言ったら殺されそうに思えたのと、案外違和感なく仕上がっていたので、僕は彼女の蛮行を半笑いで許すことにした。悲しかったけど。
 彼女が足の裏で蹴り飛ばした箇所は靴の形に凹んでいる。まるで日比谷かハリウッドみたいだけど、怖いから口に出したことはない。
 チェックのスカートはカツアゲ同然に巻き上げた慰謝料で色違いを手に入れた。灰色のタートルネックに合わせると如何にも大人しげな雰囲気で、ドアを破壊する悪魔には見えない。
 助手席側のドアが開かないから出かける際は先ず彼女が運転席からギアをまたいで乗り込む。その時にスカートの裾から覗く太股や何やらは、言えないけど見栄えが良くて、僕はその時だけ嬉しい気持ちになる。
| どうかしてしまった小説 | 00:52 | comments(0) | trackbacks(0) |









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