記4

ここは、わたくし(名)キリハラが新ふゆきょうの宣伝をしたり挫折したり
呪いの言葉をぶちまけたり誰彼かまわず攻撃したり
あなたと仲良くなったりするウェブログです。嘘ばかり吐いてゐる。ホ、ホ、ホ。
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重要なお知らせ
小田嶋隆 この拙劣なるウェブログ『記4』(五万回ほど書いておりますが、読み方は「きふぉー」です。「きよん」でも「きし」でもありません。そうだ、貴様に言っているのだ)を辛抱強く読み続けて下さっている読者の方々、今までのご愛顧に感謝すると共に、愚かな暴言の数々をお詫び申し上げます。
 ところでキリハラの実家である喫茶店の地下で耐用年数超過だか地盤が狂ったかなんだかよく分からないガス漏れが起こり、工事のため二日間店をお休みすることになりましたところ、両親は業者への手配を済ませ店を閉め、人足達の到着を確認すると早速外食に行ったそうで、キリハラが疲れて帰宅するや否や酒の匂いを漂わせてふらふらと寝たりネット麻雀に興じたりしており、何事かと問えば上述の通り、そして外食したら酒を飲むのは当然と胸を張って酔っぱらわれたものでありますから、土日になるとHUBなどに赴いて昼間からエールやらウィスキィを飲んでは友人知人に不健全な乙女と目を細められるキリハラは何も悪くなく、単に両親の血が濃厚に全身を駆け巡っておるだけなのだと確信し、何回目か思い出したくもない十八才の誕生日を迎えた先日、友人からお祝いメッセージに「酒や煙草はやめて健康に気を配りましょう」と書かれていたこともあってやや自分の人生を反省していた部分もあったところをもう一度考え直し、まあ酒で死ぬなら本望よと腹を決めた次第であります。悪癖性悪親のせい。
 問題の工事については、予定内のものについては初日で全て終わったのですが、最後の点検をしている時に別のガス漏れが見つかってしまい、予想外に早く終わる予定が結局二日間の工程、休日も伸びて父ちゃん大喜びで遊びに出かけ、母ちゃんは高い刺身定食生牡蠣付きとビールを喰らって二日連続酔っぱらいと化しておりました。そして店のガスが使えず料理が出来ないため夕食も勿論外食となりまして、親子三人揃って酔っぱらい二連荘という体たらくでございました。
 点検時に見つかったガス漏れについて、少し。何でも飲食業のキッチンではちょっとしたガス漏れがそこここで発生しているらしく、漏れたままでも特に問題はないそうです。しかしながら彼らもプロの業者な訳で、異常を検知してしまったからには直さなければならない。なかったことには出来ません、と。そういう訳で、予定内の工事の二倍近い時間をかけてちょろちょろガス漏れを補修して帰って行きました。仕方のないことであります。工程を終えて最後の点検で異常が見つかることは特に珍しくもない。人間は必ずいつかミスをしますし、物はどこかで異常を発したり壊れたりします。それらにいちいち目くじらを立てるのはあまり精神衛生上よろしくありません。まあしょうがねえやと酒でも飲みながらやっつけるのがプロッてもンじゃアありませンかね。酒は駄目ですかしら。
 酒と言えば、キリハラは二つの職場を経験しているのですが、最初の職場はアルコールの入った状態での作業は禁止されており、そのくせキャビネットには会計事務所から贈られた日本酒が常に鎮座しており、地下食堂で宴会をした後も皆平気で決算などしておりました。また、お菓子などの小物を除いて席での食事は禁止だったため、キリハラもおにぎりを食べながらエレクトロバンキングをかまして上司から引っ叩かれたりしたものです。思えば最初の職場は寝ていて引っ叩かれるか遅刻して引っ叩かれるかお喋りが過ぎて引っ叩かれるかの三択で成り立っておりました。仕事はA型、他はB型としょっちゅう言われたものです。
 で、現職場はアルコールが入っていようと平気で仕事をする豪気な社内規定があるのかないのか調べたことがないから知らん、とにかく酒を飲んでからデスクに戻って仕事に復帰することなど日常茶飯事でした。食事についても同様。前職よりも小さい机にノートパソコンと書類が散乱する混沌に満ちた(企業としてはそれが普通)プライヴェートスペースで悪の先輩はカップヌードルをすすりますし、隊長はおにぎりを食べながら得意のスパイダーソリティアに興じる昼休み、キリハラはOL(Ocha Lady)のごとくに簡単な食事を済ませると談話室の端に逃げさって他人を遠ざけながら文庫本を読むのが日課であります。今では誰もキリハラの読んでいる本を知らないので(以前、新人に「誰っすか」と訊かれて「ガルシア=マルケス」と答えたら知らなかった。てめえ文学部出てんだろコラ)話しかけるのを諦めてくれて、静かに読書をしたり寝たり音楽を聴いたりする日々です。音楽についても誰も知らないようで、最近聴いているノイズミュージックを女性に聞かせたら呆然としていらっしゃいました。あれは本当に申し訳ないことをした。せめて可愛げのあるエレクトロニカでも聞かせて差し上げるべきだったのが、多分蟲の居所が悪かったのでしょう。
 知らないと言えば、前職で同期だった女の子は、村上春樹を知りませんでした。何かの手作業を皆でしている時に何気なく「どんな本読むの?村上春樹とかは?」てな訊き方をしたらば「誰ですかそれ」との捗々しくない返事を頂きまして、「多分日本で一番すごい作家だぞおい。知らねえのか。有名だろ。『ノルウェイの森』とかさ」「私が知らないんだから無名ですよ」「てめェ地球の中心にでもなったつもりかてやンでェー!」「地球は私の友達よ!貴方の二酸化炭素で穢したら承知しないから!」などと大げんかになりました。よりによって地球様が友達では村上春樹も太刀打ち出来なさそうでしたため引き下がりましたが、恐ろしい女であったと思い出しても鳥肌が立ちます。
 村上春樹は何だかんだでエルサレムに行きましたね。スピーチでは「私がここに来たのは、多くの作家がそうであるように、たくさんの反対を受けたからです」といった台詞を言ってのけたそうで、胸のすく思いで一杯です。だってよ、関係ないだろ、文学賞と戦争は。
| ふゆきょう対奴等 | 23:58 | comments(0) | trackbacks(0) |









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